講師が会場でアクロバットを披露、「うぺぽ」爆誕秘話も…第8回 ミュージカルで表現する「忍たま乱太郎」の世界 in 青山レポート

講師が会場でアクロバットを披露、「うぺぽ」爆誕秘話も…第8回 ミュージカルで表現する「忍たま乱太郎」の世界 in 青山レポート

子供から大人まで楽しめるアニメ「忍たま乱太郎」の世界をミュージカル化した「ミュージカル『忍たま乱太郎』」(通称“忍ミュ”)。その魅力やとっておきのウラ話を忍ミュの演出家とキャストが熱く語り、歌う「ミュージカルで表現する『忍たま乱太郎』の世界」(略して「忍ミュ講座」)の第8回が東京・NHKカルチャー青山教室(オンライン配信あり)で開催されました。 

講師に竹本敏彰さん(脚本・作詞・演出)、輝山立さん(忍術学園 事務員 小松田秀作役)、松原凛さん(山田先生の息子・フリーの忍者 山田利吉役)を迎え、20255月~6月にかけて上演された第15弾「走れ四年生!戦え六年生!~閻魔岳を駆け抜けろ~」を振り返る内容。恒例の撮って出し秘蔵VTRもたっぷり公開、講師と受講生たちが歌うコーナーも大いに盛り上がった第8回の模様をレポートします。

目次

 

講座初!“側宙”で講師が登場し、会場大歓声

15弾に出演した輝山立さん、松原凛さんに加え、竹本敏彰さん(脚本・作詞・演出)が登場。アクロバットが得意な松原さんが会場に入るなり、側宙(側方宙返り)を披露して会場を沸かせました。「カルチャーセンターで即宙した人、初じゃないですか?」と輝山さん、「そんな登場をした人、見たことないよ!」と第1回から講師を務める竹本さんも驚いていました。

 

節目の第15弾で「落っこち」演出、30キャラクターが登場

今回は第15弾を制作現場での裏話をまじえながら振り返る内容。節目となる第15弾は学園長先生の思いつきでリーダーを決めることになった四年生たちの姿が描く物語。お祭り的な内容にしたいと主催者からの意向があったそうです。

松原さん演じる山田利吉、四年生と新たなオリジナルキャラクター「謎の忍者集団・クモタケ忍者隊」も加わり、30キャラクターが登場してにぎやかに。そして、第10弾から参加している竹本さん初の「落っこち」演出も。カンパニーやスタッフとの信頼関係ができたから実現したとのこと。安全さえ確保できれば「なるべくみんなを落としたい」とさまざまなメンバーを「落っことした」そうです。

 

質問数No.1は「小松田と利吉の掛け合い」について

数百通も届いたという恒例の事前質問から振り返り。一番多かったのが「小松田と利吉の掛け合い」について。ハイテンポなコントを繰り広げた部分など、どんな打ち合わせや稽古をしたのかなどが受講生たちは気になったようです。

「ハイテンポになるところはめちゃくちゃ合わせましたね」と輝山さん。松原さんは「最初から怒りのテンションがMAXにいきがちで、だんだん上げていくように意識しました。立さんがいろいろアドバイスをくださって」とコメント。

また輝山さんは「本番期間中、公演数が多いとテンションに波がどうしても出てくる。でも凛のフルパワーのツッコミで自然に上がりました」と振り返りました。竹本さんは配布資料の第15弾台本の小松田と利吉のハイテンポコント部分を見ながら説明を加えました。

 

小松田の謎セリフ「うぺぽ」爆誕秘話

小松田のセリフ「うぺぽ」についての質問も。輝山さんは「来ました、来ました!忍ミュ講座待ってたぜ」とうれしそう。台本の記号を見て「最初文字化けかと思った」と話すと「小松田のリアクションの言葉が思い浮かばなくてとりあえず記号にしておいた。ぱぴぷぺぽのぱ行がかわいいんじゃないかという話になって」と竹本さん。

稽古場でいろいろ試した結果、「うぺぽ」になったとのこと。うぺぽの生みの親・竹本さんが「ジャンプルピ!とカワラ!は全く知らない」というと、輝山さんは二つの言葉が生まれた経緯を説明していました。

 

「利吉の衣装」を公演途中で変更した理由

15弾の公演途中で忍び装束から私服へと変更になった「利吉の衣装」についての質問も。稽古場では忍び装束だったが、暗い劇場に入ったら六年生の衣装と識別できなくなったことが原因と説明しました。

変更前の貴重な忍び装束姿と変更後の衣装を身に着けた利吉の秘蔵VTRを公開。「ストーリー的には忍び装束だが客席からの見え方を取った」と変更の理由を明かしました。

 

小松田のハプニングVTR検証で意外な事実が…

小松田のハプニングシーンを収めたVTRも。小松田が質問票を落としてしまい、利吉が素早く拾って渡すシーン。再度スローで見ると利吉が質問票を引っ掛けて落としていたことが発覚。「すいませんでした!」と輝山さんに松原さんが平謝り。「この検証があってよかった」と輝山さん。「対応が素晴らしかった」と竹本さんが松原さんの反射神経を絶賛していました。

ほかに六年生の潮江文次郎(渡辺和貴さん)、中在家長次(新井雄也さん)の貴重なVTRも紹介。ハプニングに見舞われた2人のとっさの対応力が光る映像に講師の3人は感心していました。

 

四年生のオーディションで利吉に選ばれた松原さん

松原さんが第15弾オーディションの四年生・浜守一郎役で受けていたことが明らかに。利吉役での出演決定の連絡に驚いたとのこと。オーディションにきた松原さんの印象を「利吉だと思った。アクロバットもできるし、彼ならできるだろうと」と竹本さん。「四年生のバチバチのダンス…僕が入ったら大事になっていました」と松原さんが胸をなでおろしていました。

輝山さんは「凛はオーディションで何回か一緒になって。特技披露で見せるアクロバットが印象に残る。確実に目に留まるんですよ。あのアクロを見せたら誰もしたくなくなる。利吉も四年生と同時に探していたのは時の運ですよね」と話しました。

 

「闇を斬れ!(第15弾)」歌唱コーナーで松原さんが利吉に⁉

1曲目は公演を終えたばかりの「リーダーは誰だ!~選ばれし者になるために(第15弾)」。新しい曲にもかかわらず、歌詞を見ずに歌う受講生たちが多数。事前に配布した譜面や音源を利用して練習を重ねてきたようです。2回目の歌唱では輝山さんと松原さんが六年生のパート、受講生たちが四年生のパートを歌唱。六年生が四年生を応援する気持ちを込めて被せて歌うミュージカルの手法を体験しました。

2曲目は小松田のセリフから始まる「我が夢よ 我らの夢よ(第14弾再演)」。竹本さんは夢の「ゆ」を強調することを指示。また「言葉でただ『我が夢よ』ってあっさり歌われてもそこには何の物語もなくて。演者自身がもっと夢に関してこだわりを持たないと聴いている方が想像できないよねという話はよくしています」と稽古場で伝えていることを話しました。

ラストは殺陣を激しくやりながら歌った「闇を斬れ!(第15弾)」。舞台袖には名前の書かれた酸素ボンベがあったと裏話も飛び出しました。「闇の中で気配を感じながら敵を探すイメージ」「普通のウィスパーではなく、音圧のあるステージウィスパーで『闇感を出す』」と細かく指示。間奏中には松原さんがペットボトルを短刀代わりに両手に持ち、まるで利吉が憑依したようなキレのあるダンスを披露しました。

 

オンライン受講生も入手可能!貴重な忍ミュ講座資料(台本・楽譜・音源)を配布

毎回忍ミュ講座で大好評の資料配布。忍ミュのお芝居への理解を深めてもらうために共有しています。またキャストたちと同じミュージカル・ナンバーの楽譜や音源を入手、実際に歌うことでさらに舞台をディープに楽しむことができます。 

【配布資料】

上演台本

  • ミュージカル「忍たま乱太郎」第14弾再演の台本(第23・24場 全10ページ)
  • ミュージカル「忍たま乱太郎」第15弾の台本(第4~9場・第6場 全34ページ)
  • ミュージカル・ナンバー音源(歌入り・メロオケ・カラオケ)および譜面
  • 第14弾再演「我が夢よ 我らの夢よ」
  • 第15弾「リーダーは誰だ!~選ばれし者になるために」
  • 第15弾「闇を斬れ!」

 

忍ミュ講座を終えて

輝山立さん

竹さんが日頃僕たちに伝えていることを共有できたことはすごく貴重でしたし、僕らも話していく中で気づきもありました。メモしながら聴いてくださっている方がいたのもうれしかったです。役者をやっている意義みたいなものが感じられました。「忍たま」の楽曲って稽古場で歌っていてもすごく感じるものがある曲ばかりなんですよ。竹さんの指導のもと、皆でここを気を付けて歌おうみたいな稽古場のような雰囲気も感じられました。

松原凛さん

「利吉の忍び装束の変更」の理由など、触れていいのかわからなかった舞台裏の情報を知りたかった人、見に来れなかった人にも共有出来てよかったと思います。講師で来ているのに学ぶことが多く、濃い時間でした。僕らも知らなかった本番中のアクシデントも知れましたし。皆さんが歌詞を見ずに歌っていてかなり練習されてきたんだなと感じました。僕も今回初めて歌う歌があって、一緒に練習を積んできたのかなと思うとうれしかったですね。

竹本敏彰さん

15弾は多くのお客様に見ていただきました。作品を見終わったあと、振り返って楽しむコンテンツとして「忍ミュ講座」が定着したらいいなと思っています。振り返りや裏話を聞くと作品の見方も変わってきますので。次回第9回~第11回には、殺陣や振付、歌唱のスタッフが講師としてやってきます。稽古の内容やどうやって作品を作っているのかなど、さらに「忍ミュ」の内部に迫る話をしていきます。稽古場での生の声も聴けると思いますよ。

 

講座参加者の声

・講師のお三方とも和気藹々と話されていて、聞きやすく分かりやすいだけでなく、とても楽しく聞くことができました。サービス精神旺盛に、キャラクターの台詞やアクション(アクション!!)も交えながら、話してくださってとても嬉しかったです! 松原さんが自由にサービスしてくださるのを、輝山さんと竹本さんがフォローされていて良いコンビネーションだなと思いました。

・元々舞台が好きなので、竹本さんの演出や脚本の裏話や解釈などをお聞きできたのがとても興味深く楽しかったです。 輝山さんと松原さんの舞台に立つ側のお話もとても楽しく聞かせて頂きました。お二人のトークもとても面白かったです笑 輝山さんのセリフと松原さんのアクロバット、最高でした  歌についてもとても勉強になりました。皆さんで歌われていたのがとても楽しそうで、見ているこちらまで楽しく歌わせていただきました。 本当に素敵な時間をありがとうございました。

・2時間程ではまだまだお話を聞き足りないと感じました。裏話や舞台、ミュージカルの構成について貴重なお話を沢山聞けてとても満足感の高い講座でした。

・脚本を執筆する上での意図だったり、キャラクターに対する竹本さんの解釈を知ることが出来て最高でした。 また、演じる役についてキャストさんの想いも知ることが出来て良かったです。

・舞台裏のお話や、アドリブ、トラブル処理の乗り切り方、またセリフや曲の歌詞の意図、セリフの変更点の意味など知りたいことがたくさん知れて大変ためになりました。 とっても楽しかったです!


配信・講座について

◆◆第8回 ミュージカルで表現する「忍たま乱太郎」の世界 in 青山教室(6/30)

*申し込みは終了しました。

◆◆【特典付き】全4回オンライン通しチケットも販売!

2025年度開催の4講座をセットにした「オンライン通しチケット」も販売します。第8回~第11回の講座のライブ+見逃し配信を視聴できます。
さらに、2026年1月30日(金)から3月25日(水)23:59まで視聴可能な4講座のアーカイブ配信付き。

購入していただいた方の中から抽選で5名様に登壇キャスト全員のサイン入りパンフレットをプレゼント!

  • チケット受付:2025年5月22日(木)正午~2026年3月25日(水)正午まで
  • チケット料金12,000円(税込)

*NHKグループモールのみで販売します。
※全講座で「早期購入キャンペーン」を実施します。第9回以降のキャンペーン詳細は追って発表します。「全4回オンライン通しチケット」をご購入の方も、各キャンペーンの対象となります。

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