7月13日は我らが歌姫・中森明菜さんのお誕生日♪ 節目となる今年のバースデーは、ご本人にとってはもちろん応援するファンにとってもスペシャルな日。
そんなプレミアムなタイミングにあたる今月も、NHKの秘蔵映像の中から珠玉の名場面をお届けします!
明菜さんといえばたぐいまれなる歌唱力と表現力、そして私たちの心をつかみ続ける数々の楽曲。今回は語り尽くせないほどの魅力について一緒におしゃべりしませんか。
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ほかのアイドルとはどこか違う「心」を感じるアイドル

いきなり個人的な話で恐縮ですが、明菜ちゃんがデビューした1982年当時、私は小学6年生でした。暴走族風コスチュームの「なめ猫」が大人気キャラクターとして一世を風靡していた頃。それまで真面目街道を歩き続けていた私も「ツッパリ」に憧れるようになり、クラス替えをきっかけに不良っぽさが魅力のお友だちと仲良くし始めた、まさにその頃です(遠い目…)。『少女A』の大ヒットで、他のアイドルにはない「陰り」をまとった明菜ちゃんの存在が気になりだし、デビュー曲の『スローモーション』も聴くようになりました。語弊はありますが、他のアイドルはいつ見ても変わらぬ笑顔なのに、明菜ちゃんは歌い始めると「何かあった?」と聞きたくなるほど憂いを帯びた目をすることがあり…。私たちと同じような「心」のあるアイドルという気がしたものです。それも観る人を釘付けにする表現力のひとつだったのかもしれません。
歌いこなすのが難しい!そこがアーティスト魂をくすぐる!?

明菜ちゃんの曲の特徴は「めちゃくちゃ歌いたくなるのに、歌うと思ったほど盛り上がらなくてがっかりする」点。誤解しないで欲しいのは、それは曲の問題ではなく歌い手の問題だということです。明菜ちゃんが歌うとすごくドラマチックなのに、いざ自分で歌うと恐ろしく淡々とした曲になってしまう謎。歌ってみて初めて、明菜ちゃんの曲は明菜ちゃんの表現力あってこそなんだ! と思い知らされるのです。とくにスローな曲で言葉を丁寧に置き並べていくような歌い方も、なかなか真似できません。というかしないほうがいい。実は私が一番好きな曲は『セカンド・ラブ』ですが、明菜ちゃんのように「帰〜りたく『な・い』」「そ〜ばに『いたい・の』」とどんなに語尾に感情を込めまくっても、聴いているカラオケ仲間にはまったく響いていない様子。なぜ!?
思うに、素人には歌いこなせない曲ばかりだからこそ、Adoさんなど実力派アーティストたちがこぞって彼女の曲をカバーするのかもしれません。5月1日に東京・LINE CUBE SHIBUYA で開催された『中森明菜Tribute Concert“明響”』(6月1日&8日にNHK BS『The Covers 中森明菜トリビュートナイト!』で放送済)でも、後藤真希さんや一青窈さんをはじめとする表現力と歌唱力に定評のある方々が明菜さんの曲をカバー。他のアーティストが歌う姿を観ることで、改めて彼女の曲の魅力を再認識しました。
一瞬でその世界に連れて行ってくれるから明菜ちゃんが好き!

これは最近インタビューした生粋の明菜ファンの証言。一番好きな曲は何? と質問したところ「断然『SAND BEIGE -砂漠へ-』! イントロが流れた瞬間にサハラ砂漠にいる気分になるし、衣装も異国情緒たっぷりで好きだった」と話してくれました。イントロから一気にここではないどこかへ誘ってくれる曲は他にも『サザン・ウインド』『ミ・アモーレ[Meu amor e…]』ほかたくさんあります。玉置浩二さんや松岡直也さんなど“世界観を創る天才”ともいえるアーティストが手がけたのだから当然なのだけれど、やっぱり歌い手である明菜ちゃんが衣装や振り付けを含め世界観をトータルプロデュースしたからこそだと思います。彼女の曲を「上手く」歌う人は星の数ほどいても、あの完璧なまでの世界観は絶対に明菜ちゃん本人にしか表現できません。
誰もが感じていたかもしれない自分の中の「中森明菜」
ところで先ほどのファンに「なぜ明菜ちゃんだったのか?」と聞くと、「自分の中にある弱さを明菜ちゃんの中にも感じたから」と思いがけず深い答えが返ってきました。いわゆるツッパリ路線の『少女A』『禁区』『十戒』などを歌っていても、伝わってくるのは強さではなく弱さと儚さだったと。それを聞いた私は、もしかするとそこにいわゆる「明菜派vs聖子派」の秘密が隠されているのではないかと思いました。少女たちにとって聖子ちゃんが「なりたい姿(強さ)」なら、明菜ちゃんは内に秘めた「本当の私(弱さ)」だったのかなぁ、なんて。小学6年生の私は、自分の中にあるその複雑さに気づき始めたからこそ、表向きは聖子派ながら無意識のうちに明菜ちゃんにも惹かれていったのかも。彼女の曲をテープが擦り切れるほど聴いていたことは、この記事を書くまで忘れていたのでした。
(ライター/花摘マリ)
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