“食”で古代ギリシャとの距離がゼロに⁉『藤村シシンの食べる古代ギリシャ』レポート

“食”で古代ギリシャとの距離がゼロに⁉『藤村シシンの食べる古代ギリシャ』レポート

NHKカルチャー青山教室で古代ギリシャ研究家・藤村シシンさんが講師を務める講座「藤村シシンの食べる古代ギリシャ」が開催されました。

NHK「きょうの料理」番組調理スタッフが再現した古代ギリシャ料理の試食タイムも。後藤繁榮アナウンサーが司会を務め、リアル会場とオンラインで大いに盛り上がった講座の模様をレポートします。

NHKグループモール企画 みんなではじめよう!キャンペーン についてはこちら


目次

 

冠にも意味が…藤村シシンさんが古代ギリシャの衣装で登場

藤村さんはオレンジ色に茶系の布地を合わせた古代ギリシャの装いで、後藤アナは料理などで使うローリエの葉・月桂樹の冠を着けて登場。後藤アナのダジャレが華麗に決まると「月桂樹の冠はスピーチなど人前でしゃべる時に被るもの。詩や音楽の神・アポロンが乗り移ったのでは!?」と藤村さんが笑顔で解説しました。

一方、藤村さんはツタとブドウをあしらった冠を着用。「今回は後藤さん主催による饗宴=飲み会なのでツタの冠。飲み会用の冠なんですよ」と話しました。ブドウのツタはワインの神様・ディオニソスのご神木で湿気や暗い所にある植物。冷静さを保つ役割もあるそうです。

 

 “食”を通して「古代ギリシャ」との距離をゼロにする体験を

藤村さんから、古代ギリシャについての基礎知識を説明。ギリシャが日本と変わらない緯度で非常に乾燥している地中海気候の場所にあることや、紀元前8世紀から紀元後5世紀の間、約1300年間の時空を指すことを話しました。

また「食べるというのは対象との距離がゼロになる特別な行為。時空の果てにある『古代ギリシャ』を“食”を通して距離をゼロにする体験がテーマ」と趣旨も明かしました。

 

寝ながら食べる⁉ 古代ギリシャの驚きの饗宴マナー 

試食前に藤村さんから古代ギリシャの饗宴におけるマナー解説も。「寝ながら食べる」「食事中の飲酒厳禁」「ワインは水で割って飲む」と現在の食生活とは異なる驚きのマナーばかり。

特に現代の食事で当たり前になっている食事をしながらお酒を飲むのがNGとの風習には驚きの声が。古代ギリシャでは食事と飲酒の時間が分けられていたようです。

 

「きょうの料理」スタッフが再現した古代ギリシャ料理が登場

紀元前のホメロスの叙事詩「オデュッセイア」などに記された料理に関する一節をスタッフに渡して再現を依頼。資料には分量や何時間煮るのかなどの記述はないので、古代ギリシャ人になりきって“センス”で作ってもらったとのこと。

「今回の料理は見たことも聞いたこともない料理でした。困りながらも、シシンさんからいただいたイメージから想像が膨らみました」とスタッフからのコメントを紹介。そしてできる限りギリシャ産の材料で再現したという3品が受講生たちのもとへ。

主食は古代ギリシャ風おかゆ「キュケオーン」。大麦の代わりにオートミールを使って再現。ギリシャではなじみ深いヤギのチーズ・フェタチーズや白ワイン入りで体が温まる料理で、当時農民など質素な暮らしを送る人々の食事として書物に頻繁に登場していたそうです。

デロス島の人々が暁の女神イリスに捧げていた「デロス菓子」は小麦粉とチーズの生地にいちじくやくるみを混ぜて焼いたもの。甘みに砂糖を使わず、はちみつを付けていただく。古代ギリシャ人が求めていた甘さを味わえるお菓子と解説しました。

藤村さん曰く、ワインと同じ位の「酩酊物質」としてハーブティー「シデリティス(鉄草)」も提供。ギリシャでは代表的なハーブの一つであることや、当時鉄の武器で負った傷を癒せると信じられており、癒しのハーブとして使用されていたそうです。

 

藤村さん自慢の古代ギリシャ“饗宴”アイテムも使って試食タイム

古代ギリシャ人たちが饗宴の時に使っていた品々を模したレプリカを藤村さんが持参。

馬のような動物を模したポットや持ち手がついた当時のワインカップ、水差し、水を入れて下から加熱すれば小鍋として使える三脚台などを饗宴風にデコレーション。

持参した器に再現した料理も盛り付けて饗宴の雰囲気を再現しました。藤村さんが後藤アナに馬のポットからハーブティーを注ぎ入れ、古代ギリシャ流の乾杯の儀式へ。「ゼウスに!」を3回唱和して試食タイムがスタート。

受講生たちは料理とともに渡されたレシピを見ながら、再現された古代ギリシャの味を堪能。藤村さんと後藤アナも現代によみがえった料理のおいしさに感激。入手しやすい材料でレシピを考案した「きょうの料理」スタッフの熱意や想像力に感心していました。

▶講座で紹介した再現レシピのダウンロードはこちら

 

「神慮めでたく!」オンラインチャットも大盛り上がり

本講座はオンラインでも配信。藤村さんがNHKカルチャーで古代ギリシャ史のオンライン講座の講師を担当しているとあって、配信中に多数のコメントが寄せられました。

藤村さんの講座お決まりの挨拶という「神慮めでたく!」から「ちゃんと饗宴モードの冠!(ブドウつき)」「後藤さん本当に素敵なお人柄」「オンラインとオンデマンド、本当にありがたいです」などなど配信終了まで熱いコメントがあふれていました。

 

藤村シシンさん コメント

今、作れる家庭料理の番組「きょうの料理」と「古代ギリシャ」との異色コラボ、楽しかったです。古代ギリシャ料理の再現でここまで料理研究家の方が真面目にレシピ化してくれたのは初めてですね。後藤アナのダジャレを直撃できたのも貴重な体験だったと思います。

歴史に興味がない人でも気になる「食」を通して古代ギリシャを見た時に、今を生きる日本人の私が食べてもおいしいなとか共感できる点と、食事のマナーで「寝ながら食べる」とか理解できないところが出てくる。その両方が同時に楽しめるというのが「食」を通して歴史を見た時のおもしろさなんじゃないかなと思います。


古代ギリシャ研究家・藤村シシンさん

 古代の祭+トークの体験型総合エンターテイメント「古代ギリシャナイト」を主宰。『古代ギリシャのリアル』などの著書執筆ほか、2020年東京オリンピックの採火式ではNHK生中継で古代ギリシャ語同時通訳を担当。現在NHKカルチャーのオンライン講座「古代ギリシャの創作史にせまる」の講師を務める。ギリシャの世界に興味を持ったのは、子どもの頃に見たアニメ『聖闘士星矢』がきっかけ。

 

受講生コメント

Tさん

「自分の体に入れて古代ギリシャとの距離がゼロになる」体験がとてもおもしろかった。キュケオーンは甘酒のようななじみ深い味でおいしかったです。ミントマシマシで作ってみたいと思いました。

Cさん

古代料理の再現が結構好きで、メソポタミアのお菓子を作ったことがあります。今回味わった料理もおいしかったので材料を入手してぜひ作ってみたいと思いました。

Oさん

シシン先生と後藤アナの掛け合いがとても楽しかった。再現料理のレシピを作った料理研究家の方々が自宅で作りやすいように工夫してくれたのもうれしかったです。


講座概要

■ 藤村シシンの「食べる古代ギリシャ」

講師は、さまざまな文化が学べるNHKカルチャーでも大人気の藤村シシンさん!
ギリシャ神話に登場する料理や、古代ギリシャ人が愛した菓子はどんな味がするのでしょうか?当時の最高のワインの飲み方とは?
藤村さんの食文化の解説とともに、実際に食べて、飲んで、味わってみましょう!

★講座で紹介するレシピはこちら

オンデマンド受講を申し込む



各WEBサービスのご紹介

全国 15 教室!NHKカルチャーは、一流の講師による多彩な講座をご用意して、あなたの興味や好奇心にお応えします。
NHKカルチャー

NHKエデュケーショナルが運営する子育て情報サイトです。子育てに役立つ情報やEテレ幼児番組のイベント情報などを通じて、子どもの健やかな成長を願うみなさまの気持ちに寄り添い、子育てを応援するサイトです。
すくコム

NHK「きょうの料理」で放送されたおいしいレシピを探せるサイトです。プロの料理家の良質なレシピを食卓にお届けします!
みんなのきょうの料理

園芸・ガーデニングの記録や交流ができる情報・コミュニティサイト。「趣味の園芸」「やさいの時間」テキスト情報や役立つコンテンツが満載!
みんなの趣味の園芸

 

【関連商品】

NHKグループモールでは、講師を務める笠原将弘さんのレシピ本も販売中です。

=============
◆レポート/ライター
高田りぶれ(たかだ・りぶれ)

山形県生まれ。ライターなど。放送作家のキャリアを生かし、テレビ・ラジオ番組のおもしろさを伝える解説文を年間150本以上執筆。趣味は観ること(プロレス、サッカー、相撲、ドラマ、お笑い、演劇)、遠征、料理。

         
シェアする x