蔦重が活躍した頃の江戸の街へタイムスリップ!特別展『蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児』開幕レポート

蔦重が活躍した頃の江戸の街へタイムスリップ!特別展『蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児』開幕レポート

東京・上野の東京国立博物館 平成館にて4月22日、特別展『蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児』が開幕。プレス向けの内覧会が21日に行われ、広報アンバサダーの染谷将太さんも登場しました。

本展では大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』(NHK)の主人公としても描かれている蔦屋重三郎こと“蔦重”が25年ほどの活動期間に手掛けた出版物などを時系列に約250 の作品を展示。大河ドラマとの連携でセットや小道具を展示した江戸の街を体感できるエリアもあります。『べらぼう』ファンの胸を熱くする展示、演出が盛りだくさんでした。その見所を紹介します。

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江戸時代後半に貸本業から身を起こし、喜多川歌麿、東洲斎写楽などの人気浮世絵師を発掘、プロデュース。人々が楽しむもの、面白いと思うものを追い求め、数々のベストセラー作品を生み出した出版業者であり、敏腕プロデューサーやマーケターとしても活躍した人物。

 

目次

 

ドラマでおなじみの吉原大門が!江戸の雰囲気を醸し出す桜並木も満開

特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」会場写真

大河ドラマ『べらぼう』を象徴する吉原大門が会場入り口で来場者を迎えてくれます。小芝風花さんが演じた花魁・瀬川が吉原を離れるシーンなどさまざまな出会いと別れが描かれたこの門。ファンなら早速グッとくるはず。

門をくぐると当時男性だけでなく多数の老若男女も押し掛けたという吉原仲之町の満開の桜並木が出現。江戸の街のムードを感じつつ、『べらぼう』で蔦屋重三郎を演じる横浜流星さんがナビゲーターを務める音声ガイドを聴いて巡ることをおすすめします。


特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」会場写真


『吉原細見』『一目千本』…蔦重が手掛けた出版物の“ホンモノ”がズラリ


特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」会場写真

ドラマで見かけた出版物やアイテムの“ホンモノ”を目の前で見られるのが本展の醍醐味。第1章「吉原細見・洒落本・黄表紙の革新」では、蔦重が出版人としての活動を始めるきっかけになった吉原の情報誌『吉原細見』、蔦重が初めて手掛けた吉原の遊女を花になぞらえて紹介した『一目千本』を展示しています。

西村まさ彦さん演じる版元の西村屋与八と蔦重が組んで制作し、遊女たちのファッションや暮らしぶりを描いた『雛形若菜初模様』、花魁・瀬川など遊女たちの日常を収めた『青楼美人合姿鏡』も。これら吉原関連の出版物誕生の経緯は、ドラマの中でも丹念に描かれていました。本物を目の当たりにした途端、出版にこぎつけるまで奮闘する蔦重の姿が脳内再生されるでしょう。

 

江戸の有名人・平賀源内が作った『エレキテル』を間近で


重要文化財 「エレキテル」 平賀源内作 江戸時代・18 世紀 郵政博物館蔵
前期:4月22日(火)~5月18日(日) (後期は複製を展示)

ドラマの中で蔦重に多大な影響を与えた平賀源内にまつわるアイテムも展示しています。安田顕さんが演じた源内は、本草学者、蘭学者、戯作者として活躍しました。

本展ではドラマにもたびたび登場した本物の『エレキテル』を見ることができます。当時見世物として評判を集めた摩擦によって静電気を起こす装置。ドラマでは壮絶な最期をとげた源内。思いをはせているうちに涙が…。

 

『べらぼう』と連携!蔦重が生きた江戸の街を再現


特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」会場写真

大河ドラマ『べらぼう』と連携した展示も見所の本展。会場では一番奥のエリアとなる附章「天明寛政、江戸の街」にはドラマのセットを活かして江戸時代の日本橋界隈を再現していました。 

橋の向こうに当時の江戸の1日、春夏秋冬の移り変わりをタイムラプス動画で投影。夏には花火が上がるなど美しいCG映像で蔦重が見たであろう景色を目にすることができます。


特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」会場写真

吉原大門から入った夜の江戸とは異なる明るい雰囲気で、活気ある江戸の街を体感できます。蔦重が日本橋に開いた「耕書堂」や茶屋などの商店もあってにぎやかムード。


特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」会場写真

 

『吉原細見』『エレキテル』などドラマで使用した番組小道具を展示

店の中には、ドラマで実際に使用した『吉原細見』『一目千本』『雛形若菜初模様』『エレキテル』などの小道具を展示。本物と番組使用の小道具が同じ会場内にあるのも、連携展示ならでは。江戸時代と現代がリンクするのもファンにはたまらない魅力。

またドラマの節々で登場したキャストのイラスト一覧や登場人物の衣装デザイン草案、イメージした柄の布片なども。ドラマファンの心をくすぐるアイテム、また作品をより深く多角的に楽しめる資料が豊富にラインナップされていました。

 

今後ドラマをにぎわせる絵師・戯作者たちの作品も多数展示


「婦女人相十品 ポッピンを吹く娘」 喜多川歌麿筆 寛政 4~5 年(1792~93)頃 東京国立博物館蔵
前期:4 月 22 日(火)~5 月 18 日(日)

2章「狂歌隆盛―蔦唐丸、文化人との交流」、第3章「浮世絵師発掘―歌麿、写楽、栄松斎長喜」では、恋川春町、山東京伝、喜多川歌麿、東洲斎写楽らの作品を展示。今後ドラマの中で蔦重プロデュースにより江戸をにぎわせる人物たちの作品、晩年の蔦重が手掛けた出版物なども多数展示。今後のドラマの展開を想像しながら、鑑賞するとワクワクが止まりません。

 

広報アンバサダー喜多川歌麿役・染谷将太さんコメント


「婦女人相十品 ポッピンを吹く娘」 喜多川歌麿筆 寛政4~5年(1792~93)頃 東京国立博物館蔵
前期:4月22日(火)~5月18日(日)

大河ドラマ『べらぼう』で蔦屋重三郎に見いだされ、美人大首絵で一世を風靡する浮世絵師・喜多川歌麿役の染谷将太さんが内覧会に登場。本展の見所や撮影中の裏話を自身が演じる歌麿の浮世絵の前で語りました。

 ー染谷さんコメントー

撮影でも使われていた吉原大門、『吉原細見』や『エレキテル』の展示を見て鳥肌が立ちました。江戸時代と我々がいる現代とが続いているんだなと実感しましたね。

今、大河ドラマの撮影で喜多川歌麿を演じています。絵師を演じる俳優は自分で筆を使って描いているのですが、難しいけどすごく楽しい。筆が乗ると気持ちが高ぶってくる時もありますね。歌麿に関する資料があまり残っていないので想像しながら演じなければいけない。悩みながら想像力を膨らまして演じる時間を楽しんでいます。

蔦屋重三郎は、人を引き寄せる引力やパワフルな人間力がある方だったのではないでしょうか。そんな蔦重を通して江戸時代の文化の中に入っていける展示だと思いました。一歩踏み入れるとそこに江戸が広がっている。ここに来ると感じ取れる空気があるので、ぜひ来ていただきたいですね。

 

特別展『蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児』開催概要

  • 展覧会名: 特別展『蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児』
  • 会期: 2025年4月22日(火)~2025年6月15日(日)
    ※会期中、一部作品の展示替えがあります。
  • 会場: 東京国立博物館 平成館
  • 主催: 東京国立博物館/NHK/NHKプロモーション
  • 特設サイト: https://tsutaju2025.jp/

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