【チェッカーズ学】「ディレクター人生の中で最高に楽しい時間」キャニオン・レコードの当時の制作担当者・倉中保氏インタビュー

【チェッカーズ学】「ディレクター人生の中で最高に楽しい時間」キャニオン・レコードの当時の制作担当者・倉中保氏インタビュー

昭和のポップロックシーンに焦点をあてて、後世に語り継ぐべきレジェンドを取り上げ、彼らの残してきた作品や活動を、ややアカデミックな切り口で紐解く教養講座「ロックン・ロール大学」。

好評だった初回「忌野清志郎学」に続く第二講は、デビュー40周年記念特別版「チェッカーズ学(全2回)」。講座ゲストとして登場する当時のキャニオン・レコード制作担当者・倉中保氏にインタビューしました。

※講義全編に渡って「レッツゴーヤング」「ヤングスタジオ101」「紅白歌合戦」などを中心に、過去出演したNHKに残る希少番組映像を活用しながら、スージー鈴木さんに解説していただきます。80年代から92年までの希少性たっぷりな映像ばかりです!

デビュー40周年記念特別版「ロックン・ロール大学」チェッカーズ学 2023/6/30,7/23 講座チケット詳細はこちらから

 

――倉中さんとチェッカーズの出会いについて教えてください。

僕は当時キャニオン・レコードの第一制作という部署でアイドルを担当していました。隣の第二制作でチェッカーズを担当していた方が継続できない状況になって、突然僕のところにチェッカーズを担当するようにと指示がきたんです。今だから言えるんですけど、3回くらいムリです、嫌ですとお断りして(笑)もうヤバい状況になってきているから、とにかく頼むと言われました。

東京のバンドじゃなくて九州から出てきたあんな感じの7人ですから。いきなり年の近いヤンチャな野球部の監督をやれと言われたような気がしたんですよね。すでに彼ら的にはもうアイデンティティはありました。自分たちでセルフプロデュースしていたところに僕がひとり飛び込む感じでした。とにかくメンバーとひとりずつコミュニケーションを取るところから始めたんです。

担当になったのは彼らがデビューして5年くらい経ってからでしょうか。僕が担当になりたての時に、メンバーとの間に立って僕の居場所を一生懸命作ってくれたのがドラムのクロベエ(徳永善也)。最初の一歩の時はとてもあたたかくコーディネートをしてくれました。それから僕のディレクター人生の中で最高に楽しい数年間が始まったんです。それが一番初期の出会いの印象的なエピソードですね。

 

――倉中さんはどの作品からチェッカーズに携わったのでしょうか。

メンバーたちで手掛けたアルバム「GO」「SCREW」の後の「Seven Heaven」から合流してラストまで担当しました。僕はアレンジに関してバンドの方向性を決めたり、サウンド面の中心にいたリーダーのトオル(武内享)と悩むことも多かったですね。あと、フミヤ(藤井郁弥)と詞を詰めボーカルディレクションをしました。

大変だったことといえば、ドゥーワップからハウスまで網羅するバンドのふり幅の広さ。それがフミヤが歌うとチェッカーズサウンドになっていくんです。とはいえ、みんな趣向性がありますから、ちょっとストレスやプレッシャーがあってやっている人もいたんじゃないかな。その辺をまとめるトオルも大変だったところも多々あったでしょう。

チェッカーズはみんないい人間で。あれだけ当時売れていましたし、ステータスもあった。やんちゃで不良だった面もあるんですけど、信頼関係ができるととにかく人の話をよく聞く連中でしたね。みんなが我を通さないというか、とても民主的な社会がメンバー内にはありました。

 

――チェッカーズと仕事をしていて素晴らしいと感じたことは?

作曲陣と作詞担当のフミヤとバンド全員で曲を決めて、リハーサルをしてレコーディングするというローテーションでした。基本的には全部自分たちでやっていたことが素晴らしかったですね。コンサートの演出や構成、振付もすべて自分たち。バンドはトオルが引っ張り、全体的なプロデュースはフミヤ。ピュアに音楽性とか方向性というところにおいても自分たちでやっていましたから。

あのバンドにはプロデューサーなど先生が芹澤廣明先生以来いないんですよ。その辺は大変といえば、大変。でも、反対に言えばそれが素晴らしいことで。発想力、構成力、昇華力にはすごいものがありましたね。

 

――チェッカーズファンの方々へメッセージをお願いします。

僕よりファンの方のほうが詳しいところはたくさんあると思います。僕も忘れていたり、わからないところはキャニオンの後輩に聞くくらいですから。素敵な逸話がたくさんありますので、心広く聴いていただければ。


■「チェッカーズ学」配信日時

講座名:デビュー40周年記念特別版「ロックン・ロール大学」チェッカーズ学
講師:スージー鈴木(学長)、倉中保(第2回目ゲスト)

<第1回>
ライブ配信:6月30日(金) 19時00分~ ごろ予定
アーカイブ配信:7月29日(土) 23時59分 まで
配信チケット販売期間:7月28日(金) 12時00分 まで

<第2回>
ライブ配信:7月23日(日) 17時00分~ ごろ予定
アーカイブ配信:8月22日(火) 23時59分 まで
配信チケット販売期間:8月22日(火) 12時00分 まで

※ライブ配信チケットをご購入の方は見逃し配信(アーカイブ配信)もご覧いただけます。
※見逃し配信(アーカイブ配信)は、期間中なんどでも視聴可能です。

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【会場】

NHK文化センター 青山教室
東京都港区南青山1-1-1新青山ビル西館4F
★会場での講座への参加はこちらから
第1回 6月30日(金)①16時00分~外部リンク ②19時00分~外部リンク
第2回 7月23日(日)③14時00分~外部リンク ④17時00分~外部リンク

ロックン・ロール大学「チェッカーズ学」開催概要はこちら

         
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