国宝、重要文化財 40件以上を含む相国寺派の名品を中心に紹介し、相国寺の美の世界をみつめ、未来へ託します。
「相国寺承天閣美術館開館40周年記念 相国寺展―金閣・銀閣 鳳凰がみつめた美の歴史」が、東京藝術大学大学美術館にて、2025年3月29日(土)から5月25日(日)まで開催。1月29日(水)より前売り券を発売中です。
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雪舟から応挙、若冲へ 受け継がれる名品―― そこに物語があった
相国寺は、室町幕府三代将軍・足利義満(1358〜1408)が永徳 2年(1382)に発願し、京五山禅林の最大門派であった夢窓派の祖・夢窓疎石(1275〜1351)を勧請開山に迎え、高弟の春屋妙葩(1311〜1388)を実質上の開山とし創建された禅宗の古刹です。今も京都の地、御所の北側にその大寺の姿を誇り、金閣寺、銀閣寺の通称で名高い鹿苑寺、慈照寺を擁する臨済宗相国寺派の大本山です。
時代を通じ、相国寺は数々の芸術家を育て、名作の誕生を導いてきました。
室町幕府の御用絵師とされる相国寺の画僧・如拙と周文。室町水墨画の巨匠と称される雪舟。江戸時代の相国寺文化に深く関わった狩野探幽。そして奇想の画家・伊藤若冲、原在中、円山応挙…。
中世に規範を得た相国寺文化圏の美の営みは、近世、近代、現代へと時を繋ぎ、相国寺、鹿苑寺、慈照寺が所有する美術品は相国寺境内にある承天閣美術館で公開されてきました。
本展覧会は、相国寺承天閣美術館開館40周年を機に開催するものです。国宝・重要文化財 40 件以上 を含む相国寺派の名品を中心に紹介し、相国寺の美の世界をみつめ、未来へ託します。
◆見どころ
▼国宝・重要文化財 40 件以上を含む相国寺派の名品を一堂に
中世の相国寺文化圏を代表するビッグネーム・雪舟、近世の相国寺文化に賑わいを添えた若冲をはじめとして、室町から現代にいたるまで相国寺文化圏が生み出してきた美の歴史を、名品にまつわる物語とともにひもときます。
▼鹿苑寺(金閣寺)大書院の障壁画、東京・上野へ
奇想の画家・伊藤若冲の誕生は相国寺の高僧による支えなくしてはありえませんでした。若冲が鹿苑寺(金閣寺)の大書院に描いた障壁画を中心に、相国寺派に伝わる若冲作品の数々を展示します。

重要文化財《鹿苑寺大書院障壁画 一之間 葡萄小禽図》 伊藤若冲筆
江戸時代 宝暦9年(1759) 鹿苑寺蔵【通期展示】
▼相国寺の美の歴史を紡ぐ近年収蔵の華やかなコレクションも
天目茶碗の名品として名高い国宝《玳玻盞散花文天目茶碗》、琳派の祖・俵屋宗達筆と伝わる重要文化財《蔦の細道図屏風》、近世京都画壇を代表する円山応挙の重要文化財《七難七福図巻》、同《大瀑布図》など、近年相国寺の美の歴史に加わった名品も紹介します。

国宝《玳玻盞散花文天目茶碗》 吉州窯
中国・南宋時代 12-13世紀 相国寺蔵【前期展示】
◆展示内容
【第1章】創建相国寺 ―将軍義満の祈願
「吾れ、新たに小寺を建てんと欲す」――
室町幕府3代将軍・足利義満が発したその一言に、相国寺の歴史は始まります。寺は夢窓派の高僧たちの進言により小さな寺ではなく大伽藍の禅寺であることが望まれ、御所の北側、室町幕府の傍らに開かれました。明徳3年(1392)、発願から10年を経て伽藍が完成し落慶供養が行われました。

《夢窓疎石像》 夢窓疎石賛
南北朝時代 14世紀 相国寺蔵【前期展示】

重要文化財《永楽帝勅書》 永楽帝筆
中国・明時代 永楽5年(1407) 相国寺蔵【後期展示】

重要文化財《鳴鶴図》 文正筆
中国・元-明時代 14-15世紀 相国寺蔵【前期展示】
【第2章】中世相国寺文化圏 ―雪舟がみた風景
15世紀の相国寺には、相国寺文化圏と称し得る美の営みがありました。室町幕府の御用絵師であったとされる相国寺の画僧・如拙と周文は室町水墨画の様式を確立し、また、彼らを師と仰いだと語る雪舟(1420~1506?)は、若き日を相国寺にて過ごしたとされます。のちに室町水墨画の巨匠と称される雪舟がみた中世相国寺文化圏の風景を展望します。

重要文化財《寒山行旅山水図》 伝張遠筆 絶海中津賛
絵:中国・元時代 14世紀 賛:室町時代 14-15世紀 相国寺蔵【前期展示】
【第3章】『隔蓂記』の時代 ―復興の世の文化
戦国の世の荒廃した相国寺を復興したのは92世住持・西笑承兌(1548~1607)。相国寺の復興に尽力し、天下人秀吉、家康のブレーンとなり外交僧としても活躍。相国寺中興の祖となりました。これに続く1600年代。復興期の相国寺に登場するのが鳳林承章(1593~1668)でした。西笑承兌の法嗣で鹿苑寺の住持を務め、75 歳で亡くなるまでの34 年間を綴った日記『隔蓂記』は鹿苑寺に伝来し 鳳林承章をめぐる風雅の時と場を伝える貴重な史料となっています。作品『隔蓂記』の世界を再現します。

《観音猿猴図》 狩野探幽筆、狩野尚信筆、狩野安信筆
江戸時代 正保2年(1645) 相国寺蔵【前期展示】
【第4章】新奇歓迎!古画礼讃!―若冲が生きた時代
中世の相国寺文化圏を代表するビッグネームが「雪舟」であるとすれば、近世の相国寺の文化に賑わいを添えてくれたのは「若冲」と言えるでしょう。独特の絵画表現を完成させ、「私は理解されるまでに千年のときを待つ」と言った若冲ではありますが、若冲が生きた1700年代は驚くほどにアヴァンギャルドな時代でした。人の交流を通し、ものの往来を通して、多層的に構築される相国寺文化の新時代を再現してゆきます。

重要文化財《鹿苑寺大書院障壁画 一之間 葡萄小禽図》 伊藤若冲筆
江戸時代 宝暦9年(1759) 鹿苑寺蔵【通期展示】

《竹虎図》(部分) 伊藤若冲筆 梅荘顕常賛
江戸時代 18世紀 鹿苑寺蔵【通期展示】
【第5章】未来へと育む相国寺の文化 ―“永存せよ”
相国寺の什物は、どのように形成されてきたのか?なぜ今、この作品はここ相国寺に在るのか?
今回の展覧会を企画するにあたり重視した、ひとつの視点でした。相国寺の什物は中世より伝来するものもあれば、近世や近代の寄進などの新規受入により加わったものもあります。それらは今後、相国寺で活かされ、価値を見いだされ、什物としての履歴を積み重ねて成長してゆくことでしょう。この章ではそうした作品群を展示します。

国宝《玳玻盞散花文天目茶碗》 吉州窯
中国・南宋時代 12-13世紀 相国寺蔵【前期展示】

重要文化財《毘沙門天像》 雪舟筆
室町時代 15世紀 相国寺蔵【後期展示】

重要文化財《大瀑布図》 円山応挙筆
江戸時代 安永元年(1772) 相国寺蔵【後期展示】

重要文化財《七難七福図巻》のうち天災巻(部分) 円山応挙筆
江戸時代 明和5年(1768) 相国寺蔵 【会期中、部分巻替え】

重要文化財《蔦の細道図屏風》 伝俵屋宗達筆 烏丸光広賛
江戸時代 17世紀 相国寺蔵【後期展示】
◆音声ガイド
音声ガイドナビゲーターは、俳優の向井理さん
本展の音声ガイドナビゲーターは俳優の向井理さんが務めます。大河ドラマ『麒麟がくる』では、室町幕府13代将軍の足利義輝を演じた向井さん。義輝の菩提寺が相国寺という縁から、今回、音声ガイドナビゲーターを担当することになりました。
「鑑賞する方の横に立ってささやくようなガイドになるよう心がけて収録しました」という向井さんナビゲートの音声ガイド、どうぞお楽しみに!
向井理さんプロフィール 1982年生まれ。神奈川県出身。2006年『白夜行』でドラマデビュー後、多くのドラマ・映画・舞台に出演。2010年に出演したNHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』が話題に。NHK大河ドラマ『江 ~姫たちの戦国~』に出演したほか、『麒麟がくる』では足利義輝役を務めた。 |
◆展覧会概要
東京展
- 会期:2025年3月29日(土)~5月25日(日)
*会期中一部展示替えをします。
[前期]3月29日(土)~4月27日(日) [後期]4月29日(火・祝)~5月25日(日)
- 会場:東京藝術大学大学美術館(上野公園)
- 開館時間:10:00~17:00 *入館は閉館30分前まで
- 休館日:月曜日、5月7日(水)*ただし、5月5日(月・祝)は開館
- 主催:東京藝術大学、大本山相国寺、NHK、NHKプロモーション、日本経済新聞社、東京新聞
- 協賛:ライブアートブックス
- 特別協力:鹿苑寺、慈照寺
- 協力:京都仏教会
- お問い合わせ:TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
愛知展
*愛知展は終了しました
- 会期:2024年10月11日(金)~11月27日(水)
[前期]10月11日(金)~11月4日(月・休) [後期]11月6日(水)~11月27日(水)
*会期中一部展示替えをします。 - 会場:愛知県美術館(愛知芸術文化センター10階)
- 主催:愛知県美術館、大本山相国寺、NHK名古屋放送局、NHKエンタープライズ中部、日本経済新聞社、中日新聞社
- 協賛:ライブアートブックス
- 特別協力:鹿苑寺、慈照寺
- 協力:京都仏教会
-
後援:JR東海
▼「相国寺承天閣美術館開館40周年記念 相国寺展―金閣・銀閣 鳳凰がみつめた美の歴史」展覧会公式サイト
https://shokokuji.exhn.jp/
◆チケット(東京展)
観覧料(税込)
前売券 | 当日券 | |
一般 | 1,800円 | 2,000円 |
高校・大学生 | 1,000円 | 1,200円 |
※中学生以下無料
※障がい者手帳をお持ちの方とその介助者1名は無料(入館の際に障がい者手帳などをご提示ください)
前売券販売期間:2025年1月29日(水)~3月28日(金)
販売場所 :展覧会公式サイト およびプレイガイド、 ARTPASS など
お得な平日限定音声ガイド付き前売券も販売しています。詳しくは展覧会公式サイトをご覧ください。
>>「相国寺承天閣美術館開館40周年記念 相国寺展―金閣・銀閣 鳳凰がみつめた美の歴史」展覧会公式サイトチケット情報