睡眠の正しい基礎知識と質の低い眠りを改善する2つのコツ

睡眠の正しい基礎知識と質の低い眠りを改善する2つのコツ

できるだけ長く健康な身体でいたいと考えている方の中には、

  • 睡眠にはどんな役割があるのか
  • 質の高い睡眠をとるためのコツは何か

など、睡眠に関する正しい知識について気になっている方もいらっしゃるかと思います。

睡眠はとても奥が深く、ただ長く眠ればいいというわけではありません。

質の高い睡眠をとるためには、睡眠のメカニズムについて理解したり、日中の行動にも気を配ったりすることが大切です。

今回の記事では、睡眠の基礎的な知識や質の高い睡眠をとるためのコツなどを解説します。

目次

1. 睡眠はどうして必要なの?
2. 睡眠不足が及ぼす影響
3. 理想的な睡眠時間はどのくらい?
4. メラトニンの分泌にはセロトニンが必要不可欠
4-1. セロトニンとは?
4-2. セロトニンの効果
4-3. セロトニンは人間の感情にも関わる
5. 質の高い睡眠をおこなうための2つのコツ
5-1. コツ①セロトニンを増やす
5-2. コツ②体内時計を整える
6. 睡眠についてもっと知りたい方におすすめの動画

睡眠はどうして必要なの?

睡眠はどうして人間にとって必要なのでしょうか?

簡単に言えば、睡眠は人間の身体に欠かせない働きをするからです。

主に、睡眠時には以下のことがおこなわれます。

  • 内臓の働きなどを調整する自律神経を整える
  • 体内で分泌されるホルモンのバランスを整える
  • 筋肉を修復する
  • 心身の疲れを取る
  • 免疫細胞を修復する

つまり、睡眠をとることで健康な身体を維持したり精神を安定させたりすることができるのです。

睡眠不足が及ぼす影響

では、睡眠を取らないとどうなるのでしょうか。

まず、睡眠を取らないと免疫細胞の働きが低下して病気にかかりやすくなります。

実際に​​睡眠不足の人は風邪をひきやすく、「7時間睡眠の人と比べると6時間未満しか睡眠をとっていない人は風邪の罹患率が4倍」との結果も出ています。

また、睡眠不足になると食欲を増加させるホルモン(グレリン)が15%アップし、食欲を抑えるホルモン(レプチン)が15%ダウンします。

そのため、食欲が湧きやすくなって太ってしまうことにも繋がります。

さらに、睡眠になると脳の中の前頭前野と呼ばれる部分の働きが鈍くなり、他者の気持ちを慮ったり、自分の気持ちを安定させたりすることができにくくなります。

やる気を出せなかったり、感情をコントロールできずイライラして攻撃的になったり、仕事でのパフォーマンスが落ちてミスが増えたりするようになるでしょう。

理想的な睡眠時間はどのくらい?

睡眠不足になると心身に大きな影響を及ぼしてしまうため、睡眠時間はしっかりと確保することが大切です。

とはいえ、睡眠時間は長く取ればよいというものではありません。

理想的な睡眠時間は以下のように年齢によって異なります。

  • 6歳〜13歳・・・9時間から11時間
  • 14歳〜17歳・・・8時間から20時間
  • 18歳〜64歳・・・7時間から9時間

長く寝るのではなく、年齢に合わせて適切な睡眠時間を確保することが何よりも重要です。

ただ、年齢を重ねると適切な睡眠時間をしていても疲れが取れなかったりすっきり起きれなかったりすることがあります。

これは睡眠ホルモンのメラトニンが影響しています。

睡眠ホルモンのメラトニンの分泌量は10歳でピークを迎えますが、それ以降は徐々に減少し、35歳には10歳時の4分の1にまでなってしまいます。

35歳をすぎて「眠りが浅くなった」「途中で起きることが多くなった」というのはメラトニンの減少が関係しているのです。

メラトニンの分泌にはセロトニンが必要不可欠

睡眠ホルモンのメラトニンの分泌量は歳と共に減少するものですが、実は工夫次第で歳をとってもメラトニンの分泌量を多くすることはできます。

ここで重要となるのがセロトニンと呼ばれるホルモンです。

セロトニンとは?

セロトニンは脳幹から分泌されるホルモンで、メラトニンを作るための材料となります。

つまり、セロトニンをうまく増やせればメラトニンが増加するので、35歳以降になっても睡眠の質を高く維持できます。

セロトニンの効果

そもそも、セロトニンは精神安定やリラックスのためのホルモンで、脳の各部分に伝わることで様々な効果が現れます。

例えば、大脳皮質に伝われば頭がスッキリと覚醒できますし、大脳辺縁系に伝わると精神が安定して不安をなくすことができます。

また、脳の各部分だけでなく筋肉にも働きかける効果があるので、姿勢が良くなったり表情筋が引き締められたりします。

セロトニンは人間の感情にも関わる

様々な効果があるセロトニンは人間の感情に大きく関わっています。

セロトニンが足りていれば精神が安定するため、気持ちに余裕を持つことができます。

心のキャパシティを広く持ったり、嫌なことがあっても引きずらず切り替えていけるのもセロトニンのおかげです。

しかし、セロトニンが足りていないと、精神が安定せず余裕がないため、嫌なことや不安なことがあっても「ま、いっか」と済ませることができません。

結果、常にイライラしてしまったり、神経質になったり、人に当たったりとトラブルを起こしやすくなってしまいます。

質の高い睡眠をおこなうための2つのコツ

では、具体的に質の高い睡眠をおこなうためにはどのようなことを心がければ良いのでしょうか。

ここでは、質の高い睡眠をおこなうための2つのコツについて解説します。

コツ①セロトニンを増やす

まず、セロトニンを増やすことが重要です。

先述したようにセロトニンを増やすことで、睡眠ホルモンのメラトニンを作ることができるようになるので、質の高い睡眠につながります。

セロトニンを増やす具体的な方法には次の3つがあります。

[1]太陽の光を浴びる

セロトニンは5分以上太陽の光が目の網膜に入ることで作られるため、まずは1日数回5分〜30分太陽光を浴びるようにしましょう。

3ヶ月以上続けることで、セロトニンが作られやすい体質になります。
この時、シミやシワが気になるのであれば、日焼け止めを塗ったり日傘を差してOKです。
ただし、直接太陽の光は見ないようにしましょう。

[2]リズム運動をする

リズム運動とはジョギング・サイクリング・ラジオ体操・水泳・ダンスなど、メトロノームを鳴らすようなリズミカルな動きのこと。
時間を作ってリズム運動も心がけましょう。

[3]オキシトシンを増やす

オキシトシンとはストレスを消す効果があるホルモンのことで、オキシトシンを増やすことはセロトニンの増加につながります。
例えば、親しい人や仲のいい人と楽しくおしゃべりしたり、自分が心地よいと思うことを実践したり、マッサージをしたりすることが効果的です。

コツ②体内時計を整える

私たち人類は昼行性動物なので、日が昇ったら起きて日中活動し、夜になって暗くなったら眠るというリズムが体内時計として刻み込まれています。

しかし、夜ふかししたり生活リズムが乱れてしまったりすると、体内時計が狂ってしまい夜に眠ろうと思っても体内時計が活動する状態になり眠れなくなってしまいます。

夜にしっかりとした睡眠をとるには、すごく明るい/すごく暗いという明確なオンオフを作って、それを太陽の動きに合わせることが重要です。

よって、日中は太陽光をあびて活動的に過ごし、夜はあまり光を浴びずにゆっくり過ごすことが重要です。

また、生活リズムを整えることも重要です。

体内時計は個人差がありますが、だいたい平均は24時間10分で、1日の時間(24時間)よりも少し長くなっています。

夜更かししたり起きる時間が遅くなったりすると、どんどん体内時計が太陽の動きとズレてしまって夜にしっかりと寝れなくなってしまいますので、朝はできるだけ同じ時間に起きるようにしましょう。

特に休日はいつもより多く寝てしまいがちですが、平日との誤差は2時間以内にとどめておくのがポイントです。

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