ゴーダチーズとはどんなチーズ?見た目・味・歴史・食べ方を徹底解説

ゴーダチーズとはどんなチーズ?見た目・味・歴史・食べ方を徹底解説

オランダにあるゴーダ村で生まれた「ゴーダチーズ」。

ゴーダチーズはオランダを代表するチーズの1つですが、オランダの周辺諸国であるドイツ・イギリス・ベルギー・フランスなどを中心に世界中で親しまれており、日本でも古くから食べられています。

現在では、日本でも作られており、モッツァレラチーズに次いで2番目に多く生産されています。

そのためゴーダチーズは日本においてとても手に入れやすいチーズですが、いくつか種類があり、
「ゴーダチーズそれぞれの違いが分からない」
「美味しく食べる方法が知りたい」
と感じている方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事ではゴーダチーズを自宅で楽しみたい方向けに、ゴーダチーズの特徴や種類、美味しい食べ方、自宅での保存方法などを解説します。

 

目次

1. 日本においてチーズは2種類に分類される
1-1. ミルクが原料の「ナチュラルチーズ」
1-2. ナチュラルチーズが原料の「プロセスチーズ」
2. ゴーダチーズとはオランダ原産のナチュラルチーズ
2-1. 表面はワックスで覆われている
2-2. ゴーダチーズの見た目・味などは種類によって異なる
3. ゴーダチーズはなぜ生まれたのか
4. ゴーダチーズのおすすめの食べ方
4-1. おつまみや茶請けとして食べる
4-2. 和食と合わせる
5. ゴーダチーズの保管方法
5-1. ゴーダチーズが硬くなってしまった場合
5-2. カビができてしまった場合
6. ゴーダチーズについてもっと知りたいなら

日本においてチーズは2種類に分類される

まずゴーダチーズが何かを理解する前に、日本におけるチーズの分類について簡単に紹介します。

日本においてチーズはナチュラルチーズとプロセスチーズの2種類に分けられます。

ミルクが原料の「ナチュラルチーズ」

1つ目のナチュラルチーズは、ミルクを原料とするチーズです。

牛・羊・ヤギのミルクを使うことが多く、ミルクの中に含まれる水分を酵素や微生物などの働きで抜いていき、発酵・熟成させて固形化します。

ナチュラルチーズには、フレッシュタイプ・白カビタイプ・青カビタイプ・ウォッシュタイプシェーブルタイプ・セミハードタイプ・ハードタイプなど、さらにタイプがいろいろありますが、これらに共通して言えるのが「日々状態が変わっていく」という点です。

加熱しない限り酵素や微生物などはチーズの中で生き続けるため、お店で購入した後でも引き続き、熟成が続きます。

ズの中で生き続けるため、お店で購入した後でも引き続き、熟成が続きます。

ナチュラルチーズが原料の「プロセスチーズ」

2つ目のプロセスチーズは、ナチュラルチーズを原料とするチーズです。

ナチュラルチーズを細かく砕き、加熱して溶かし、乳化の工程を経て作られます。

プロセスチーズの場合は、加熱の段階で酵素や微生物が失活したり死滅したりするので、ナチュラルチーズとは違って日々状態が変わることがありません。

ナチュラルチーズに比べると比較的新しいチーズで、1900年代から多く作られています。

ゴーダチーズとはオランダ原産のナチュラルチーズ

ゴーダチーズとは先述したように、オランダを原産とするチーズです。

分類としてはナチュラルチーズに分類され、さらに細かく分けるとセミハードタイプのチーズになります。

ここでは、見た目、味わいなどについて解説します。

表面はワックスで覆われている

まず、ゴーダチーズは外側がワックスで覆われて保護されています。

たまにこのワックスごと食べてしまう方もいますが、基本的にワックスは食べ物ではありません。食べる時には必ずワックスを取るようにしましょう。

ゴーダチーズの見た目・味などは種類によって異なる

次にチーズそのものの見た目や味ですが、これは熟成期間や原料によって異なります。

●熟成期間が1ヶ月〜5ヶ月のヤングゴーダの場合

熟成期間が1ヶ月〜5ヶ月のヤングゴーダの場合は淡い卵色をしており、触るとしっとりと柔らかく、チーズの表面はとてもキメが細かいです。
チーズっぽい発酵臭はせず、ミルクの風味や塩っぽい味が感じられてとても食べやすいため、あまりチーズに馴染みのない小さな子供や高齢の方でも楽しめます。

●熟成期間が1年以上のゴーダチーズの場合

熟成期間が長くなるとどんどん硬くなっていき、3年弱も熟成したゴーダチーズだと、色も茶褐色になります。
また、熟成によってチーズ内のタンパク質が分解されるため、表面にはアミノ酸の結晶である粒が確認できます。
醤油・味噌・キャラメルのような香ばしい風味がして、食べるとアミノ酸の結晶の食感があります。

●スパイスゴーダの場合

スパイスゴーダとは香辛料やハーブなどが入ったゴーダチーズのことですが、スパイスだけでなく、トマトやバジル、わさびなど様々な食材が入れられているものもスパイスゴーダと呼ばれます。

バリエーションが多く、いろいろな食べ合わせができるのが特徴です。
使われている原料の風味を感じることができ、例えばクミンシードが入っているスパイスゴーダであればカレーのような味を楽しむことができます。

●牛以外のミルクを使ったゴーダチーズの場合

チーズの中には、牛以外のミルクを使ったチーズも存在しています。
ただ、ゴーダチーズに関しては牛のミルクを使うのが一般的であり、ヤギや羊のミルクを使ったゴーダチーズはほとんどありませんでした。
ですが、近年、ヤギや羊のミルクを使ったゴーダチーズも市場に出回るようになっています。

原料が異なるため、牛のミルクのゴーダチーズと比べると見た目や味に違いがあり、例えばヤギのミルクを使ったゴーダチーズだと真っ白なのが特徴です。

また、ヤギのミルクを使ったゴーダチーズは、程よい塩味と熟成感がありまろやかな味わいとなっており、ヤギのミルクのチーズ特有のクセが少なく、食べやすいのも魅力です。

ゴーダチーズはどのように生まれたのか

そもそもゴーダチーズが作られる頃のオランダは、湿地帯が多い上に国土も狭かったため農業をするのには不向きな環境でした。

そこで取り組まれたのが干拓です。

干拓とは干潟や沼を仕切って、その場にある水を抜き取ったり干上がらせたりすることで、陸にすることを指し、オランダは干拓をおこなって土地を広げました。

ただ、干拓をおこなった土地であるため、水はけの悪さから農業ではなく、酪農業が盛んにおこなわれ、その過程でチーズが作られるようになりました。

これはオランダ国内のゴーダ村も例外ではなく、酪農業によってチーズが盛んに作られやがてゴーダチーズという名称が定着したのです。

その後、オランダのチーズは15世紀ごろから周辺諸国に向けて輸出され、海上貿易が盛んにおこなわれるようになった大航海時代には周辺諸国だけでなく、アジアなどにも輸出されるようになります。

実際、江戸時代の日本にも伝わっており、第5代将軍である徳川綱吉にもゴーダチーズが献上されたとの記録が残っています。

ゴーダチーズのおすすめの食べ方

中には「ゴーダチーズを美味しく食べたい」と考えている方もいるかと思います。

ここではゴーダチーズの食べ方の一例をご紹介します。

おつまみや茶請けとして食べる

チーズと聞けばワインに合わせて食べるのを想像する方が多いかと思いますが、実はゴーダチーズは日本酒のおつまみや日本茶の茶請けとして楽しむことも可能です。

日本酒や日本茶と合わせる際には、醤油や味噌に近い香ばしい風味のある熟成期間が1年以上のゴーダチーズがおすすめです。

和食と合わせる

旨味の強い熟成期間が1年以上のゴーダチーズは和食によく合います。

そのため和食にちょっと足すことで美味しく熟成されたゴーダチーズを味わうことができます。

例えば、卵かけご飯やほうれん草のおひたしといったシンプルな和食に粉状にした熟成ゴーダチーズをかけ、少し醤油をかけると和食でもゴーダチーズが楽しめます。

ゴーダチーズの保管方法

ゴーダチーズを開封してもその日のうちに全て食べ切れるケースは非常に稀かと思います。

では、ゴーダチーズはどのように保管しておくのが良いのでしょうか。

まず、ゴーダチーズを一度袋から取り出してワックスを取り除いてしまうと、当たり前ですが空気中の菌に触れることになり、それをそのままの状態で保管すれば、雑カビが生じてしまいます。
よってゴーダチーズを冷蔵庫で保管する前に、必ずラップで包むようにしましょう。

ラップで包むことでカビを防ぐことができますし、ゴーダチーズから水分が抜けてしまうのを防ぐこともできます。
そして、できるだけ早く(できれば1週間以内に)食べ切ることが大切です。

ゴーダチーズが硬くなってしまった場合

水分が抜けてゴーダチーズが硬くなってしまった場合は、すりおろして粉チーズとして使うのがおすすめです。

また、加熱してとろとろにしてから食べるもの良いでしょう。

カビができてしまった場合

カビができてしまった場合、捨てるしかないと思われる方もいますが、カビを取り除けば美味しく食べることができます。

ただし、食中毒などの恐れもあるので、必ず加熱してから食べるようにしましょう。

ゴーダチーズについてもっと知りたいなら

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