東京・上野公園にある東京国立博物館 平成館にて特別展「やまと絵 -受け継がれる王朝の美-」が10月11日(水)~12月3日(日)まで開催されています。
30年ぶりとなる今回のやまと絵展では「源氏物語絵巻」「信貴山縁起絵巻」「伴大納言絵巻」「鳥獣戯画」(すべて国宝)の四大絵巻が集結(「伴大納言絵巻」は10月22日で展示終了)。2024年大河ドラマ『光る君へ』で描かれる紫式部関連の名品も揃う本展の見どころ、オリジナルグッズ情報も合わせてご紹介します。
目次
やまと絵とは
東京国立博物館 特別展「やまと絵 -受け継がれる王朝の美-」
やまと絵は平安時代前期に成立し、中国由来の唐絵に学びながら独自に発展しました。中国を舞台とするのが唐絵に対して、日本の風景や風物を描くのがやまと絵。本展では千年を越す、やまと絵の歴史の中でも特に平安時代から室町時代の豪華な作品245件を展示しています。
日本絵巻史上最高傑作の四大絵巻が30年ぶりに集結!
国宝 鳥獣戯画 [甲巻 平安~鎌倉時代・12~13世紀 京都・高山寺蔵 展示期間:甲巻 10月11日(水)~10月22日(日)]※現在は写真とは別の巻を展示しています。
今回の展示の見どころのひとつは、平安時代末に制作された傑作揃いの「四大絵巻」。「源氏物語絵巻」「信貴山縁起絵巻」「伴大納言絵巻」「鳥獣戯画」(すべて国宝)の4つの作品が集結するのは30年ぶりとなります。日本が誇る絵巻の美の競演を体感してください。※「伴大納言絵巻」のみ、10月22日(日)までの展示となります。
2024年大河ドラマ『光る君へ』~紫式部にまつわる「やまと絵」
重要文化財 紫式部日記絵巻断簡(部分) [鎌倉時代・13世紀 東京国立博物館蔵]
「断簡」とは切れ切れになった文書などのこと。藤原道長の孫でのちに後一条天皇となる敦成親王の五十日祝いを描いている一段。画面下部の男性が道長、幼子を抱くのが道長の妻・北の方。几帳を背にしているのが敦成親王の母・中宮彰子です。
【展示期間】10月11日(水)~12月3日(日)
源氏物語図扇面貼交屛風 [室町時代・16世紀 広島・浄土寺蔵]
『源氏物語』の「朝顔」や「浮舟」などの各場面を扇に描き、屛風に貼り交ぜた作品。物語の順序ではなく、春夏秋冬の順に配置されているのが特徴です。
【展示期間】10月11日(水)~11月5日(日)
本展オリジナルグッズも多数!ユニークなキャラ立ち絵巻
重要文化財 百鬼夜行絵巻 [伝土佐光信筆 室町時代・16世紀 京都・真珠庵蔵]
琵琶や鍋などの道具類の妖怪や鬼たちの姿を描いた作品。江戸時代までに同類の絵巻が60件以上も確認されていますが、真珠庵本は現存最古の「百鬼夜行絵巻」となります。詞書がなく、国宝「鳥獣戯画」のようにどのような内容や意図をもって描かれたのかは不明です。
【展示期間】
10月11日(水)~11月5日(日)/11月7日(火)~12月3日(日)で場面替え
国宝「辟邪絵 神虫、毘沙門天像」[平安時代・12世紀 奈良国立博物館蔵]
邪悪な鬼類を退治する辟邪神たちを描いた「辟邪絵」。大きな口で鬼たちをつかんで食べる「神虫」、羽の生えた鬼神たちに向けて矢を放って撃退しているのが「毘沙門天」。奈良国立博物館には以上の二図のほかに「天刑星」「鍾馗」「栴檀乾闥婆」の合計五つの「辟邪絵」が所蔵されています。
【展示期間】
10月11日(水)~11月5日(日)/11月7日(火)~12月3日(日)で場面替え
※写真手前の作品は国宝「辟邪絵 神虫」です。
最長165cmの特大抱き枕や長場雄さんコラボも!大充実の展覧会オリジナルグッズ
来場記念に入手したい本展オリジナルグッズも見逃せません。変わり種の絵巻抱き枕や人気アーティストとのコラボアイテム、今トレンドのガチャも登場しています。
最長165cm!「鳥獣戯画」・「百鬼夜行絵巻」超巨大絵巻抱き枕
国宝「鳥獣戯画 甲巻」(平安時代・12世紀 京都・高山寺蔵)と重要文化財「百鬼夜行絵巻」(伝土佐光信筆 室町時代・16世紀 京都・真珠庵蔵)がプリントされたユニークな抱き枕。巻いて抱き枕として、広げてマットとしても使えます。2柄ともサイズは縦約62cm、「鳥獣戯画」は横が約137cm、「百鬼夜行絵巻」は約165cmのビッグサイズ。どちらも税込15,000円です。
おしゃれでシンプル!人気アーティスト・長場雄さんとのコラボグッズ
人気アーティストの長場雄さんとのコラボグッズも多数展開。長場さんが本展のために描き下ろした国宝「鳥獣戯画 甲巻」と重要文化財「土蜘蛛草紙」(鎌倉時代・14世紀 東京国立博物館蔵)をモチーフにしたアイテムがかわいくてオシャレ。メモ帳やキーホルダーなどの小物類、立体的なプリントを施したTシャツ(税込3,850円)や刺繍がアクセントのトートバッグ(税込1,980円)、ブラインドパッケージのアクリルスタンドも販売しています。
本展オリジナル缶バッジ&アクリルスタンドガチャが登場!
大流行中のガチャもグッズショップに登場。本展の「やまと絵」で描かれた人物や動物がデザインされた缶バッジは全10種(1回300円)、ユーモラスな重要文化財「百鬼夜行絵巻」の妖怪たちのアクリルスタンドは全11種(1回400円)。
ゆるさがかわいい!「鳥獣戯画」「百鬼夜行絵巻」ぬいぐるみ
絵巻に登場する人気の高い2つのキャラクターがゆるかわいいぬいぐるみに!「鳥獣戯画」は猫、「百鬼夜行絵巻」は琵琶の妖怪をモチーフにしており、価格は各税込2,200円。どちらも本展でしか購入できない激レアアイテムです。
「鳥獣戯画」「辟邪絵 神虫」「餓鬼草紙」国宝3作品のグッズもチェック!
人気キャラクターデザインを多数手掛けるグリーンハウス描き下ろしのグッズも登場!「鳥獣戯画」「辟邪絵 神虫」(平安時代・12世紀 奈良国立博物館蔵)「餓鬼草紙」(平安時代・12世紀 東京国立博物館蔵)のいずれも国宝の3作品が写真のピンズ(各税込990円)のほか、ラバーストラップやリフレクターキーホルダーにも展開。ポテトスナックにはオリジナルシールが3種のうちランダムで入っています。
特別展「やまと絵 -受け継がれる王朝の美-」開催概要
■会場:東京国立博物館 平成館
■会期:2023年10月11日(水)~12月3日(日)
※会期中、一部作品の展示替えおよび巻替えがあります。
※土・日・祝日のみ事前予約制(日時指定)
■開館時間:09:30~17:00
※金曜・土曜は20:00まで開館(総合文化展は17:00閉館、ただし11月3日(金・祝)より、金曜・土曜は19:00閉館)
※最終入場は閉館の60分前まで
■休館日:月曜日
※ただし本展のみ11月27日(月)は開館
※展覧会は終了しました。
特別展「やまと絵 -受け継がれる王朝の美-」
教科書で見た「あの」作品が目白押し。教科書や美術全集などでおなじみの作品が一堂に集結。総件数245件の7割超が国宝、重要文化財。絵画のみならず、書跡や工芸作品など、やまと絵の美意識を支えた同時代の作品もご覧いただけます。
■特別展「やまと絵 -受け継がれる王朝の美-」公式図録 3,300円(税込)
購入する
◆レポート/ライター
高田りぶれ(たかだ・りぶれ)
山形県生まれ。ライターなど。放送作家のキャリアを生かし、テレビ・ラジオ番組のおもしろさを伝える解説文を年間150本以上執筆。趣味は観ること(プロレス、サッカー、相撲、ドラマ、お笑い、演劇)、遠征、料理。