【チェッカーズ学】「あらためてチェッカーズの音楽の素晴らしさを語りたい」ロックン・ロール大学学長スージー鈴木氏インタビュー

【チェッカーズ学】「あらためてチェッカーズの音楽の素晴らしさを語りたい」ロックン・ロール大学学長スージー鈴木氏インタビュー

昭和のポップロックシーンに焦点をあてて、後世に語り継ぐべきレジェンドを取り上げ、彼らの残してきた作品や活動を、ややアカデミックな切り口で紐解く教養講座「ロックン・ロール大学」。

好評だった初回「忌野清志郎学」に続く第二講は、デビュー40周年記念特別版「チェッカーズ学(全2回)」。学長(進行役)を務める、音楽評論家・スージー鈴木氏にインタビューしました。

※講義全編に渡って「レッツゴーヤング」「ヤングスタジオ101」「紅白歌合戦」などを中心に、過去出演したNHKに残る希少番組映像を活用しながら、スージー鈴木さんに解説していただきます。80年代から92年までの希少性たっぷりな映像ばかりです!

配信チケットはこちらから

 

――スージーさんとチェッカーズの音楽の出会いについて教えてください。

チェッカーズがデビューした1983年、私は高校2年生でした。当時ビートルズやレッド・ツェッペリン、はっぴいえんどなど昔の音楽ばかり聴いていたんです。クラスの女の子たちがチェックの洋服を着た男の子たちの下敷きとかを持ち始め、3年生になると男の子の髪の毛もなんか変わってきて(笑)。何が起きているんだろうと思ったら、チェッカーズが出てきたと。

私は当時「昔のロック原理主義」だったので、新しい邦楽を低く見る悪しき風習があったんですが、テレビで見たらメンバー全員がかっこいい(笑)。今でいうボーイズラブじゃないですけど、男が惚れるっていうんですかね。なんかゾクッと来るんですよ(笑)。ファッションやダンス、なんといっても全員でハモれるところがたまらなかった。

私が好きだったビートルズとチェッカーズには、ロックン・ロールというところでつながりがあるような気がしたんです。楽曲を自作するようになってからの「I Love you, SAYONARA」や「Cherie」を聴いて、ああこれは優秀なバンドだなと。それから売野雅勇・芹澤廣明時代の曲もさかのぼって聴くようになりましたね。

 

――ロックン・ロール大学の「チェッカーズ学」ではどんな講義を?

「忌野清志郎学」の時のように音楽の話だけをします。流行風俗としてのチェッカーズではなく音楽の話だけ。今改めて、チェッカーズの歌、演奏、作曲、作詞、そしてパフォーマンスといった話だけをするつもりです。あえてもう一回素直な気持ちで音楽そのものの素晴らしさを語ろうかなと思っています。

私はチェッカーズに関して“日本最後のロックン・ロールバンド”という表現をしました。もうちょっというと、キャロルの後継としてのチェッカーズ。どちらも頭文字がCなんですけどね。何がロックン・ロールかという話もあるんですけど、ヒューマンというか、アナログというか…。人間の力だけで演奏して歌っていて、コンピューターには出せないグルーヴ感があると思うんですよ。だから今でも腰が思わず動いてしまうというか。

今でも「ジュリアに傷心」を聴くと胸が沸き立つんですよ。生身の人間が演奏している、圧倒的なヒューマン・グルーヴ…本来ロックン・ロールはそういうことだったと思うんです。チェッカーズはアイドルという要素もありましたが、決して作られている感じがしなかった。メンバー自身が自分の言葉でしゃべっていましたし、割とやんちゃもしていたような(笑)。そういう人間臭いバンドというのが素晴らしい音楽の背景にあった気がしますね。

 

――チェッカーズファンの方々へメッセージをお願いします。

ファンの方々がチェッカーズを今でも支えていると思います。チェッカーズの魅力はファンの方々のほうがよく知ってらっしゃるというのも重々承知の上です。それに加えて、音楽的視点でチェッカーズについてもっと語られてもいいのではと思っています。藤井郁弥のツヤのあるボーカル、完璧なピッチ(音程)のコーラス、エバーグリーンなメロディを生み出すメンバーの作曲能力、そしてドラムス(徳永善也)とベース(大土井裕二)の圧倒的なリズムセクション……などなど音楽の魅力を再発見する機会になったらありがたいですね。

第2回の講義ゲストには当時のキャニオン・レコード制作担当者・倉中保さんをお迎えします。おしゃべりもお上手ですし、抜群に貴重な話が聴けると思いますよ。会場では臨場感が味わえる、配信でも画質のクオリティが落ちないNHKの貴重映像もご期待ください。当時のファンの方がVHSで録画した番組も、よりクリアな映像で登場するかもしれませんね。お楽しみに。 


■「チェッカーズ学」配信日時

講座名:デビュー40周年記念特別版「ロックン・ロール大学」チェッカーズ学
講師:スージー鈴木(学長)、倉中保(第2回目ゲスト)

<第1回>
ライブ配信:6月30日(金) 19時00分~ ごろ予定
アーカイブ配信:7月29日(土) 23時59分 まで
配信チケット販売期間:7月28日(金) 12時00分 まで

<第2回>
ライブ配信:7月23日(日) 17時00分~ ごろ予定
アーカイブ配信:8月22日(火) 23時59分 まで
配信チケット販売期間:8月22日(火) 12時00分 まで

※ライブ配信チケットをご購入の方は見逃し配信(アーカイブ配信)もご覧いただけます。
※見逃し配信(アーカイブ配信)は、期間中なんどでも視聴可能です。

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【会場】

NHK文化センター 青山教室
東京都港区南青山1-1-1新青山ビル西館4F
★会場での講座への参加はこちらから
第1回 6月30日(金)①16時00分~外部リンク ②19時00分~外部リンク
第2回 7月23日(日)③14時00分~外部リンク ④17時00分~外部リンク

ロックン・ロール大学「チェッカーズ学」開催概要はこちら

【講師プロフィール】

スージー鈴木 

学長:スージー鈴木(すーじー・すずき)

音楽評論家、小説家、ラジオDJ。1966年11月26日、大阪府東大阪市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。音楽評論家として、昭和歌謡から最新ヒット曲までを「プロ・リスナー」的に評論。bayfm『9の音粋』月曜日担当DJ。著書に『幸福な退職』『桑田佳祐論』『サザンオールスターズ1978-1985』(新潮新書)、『EPICソニーとその時代』(集英社新書)、『平成Jポップと令和歌謡』『80年代音楽解体新書』『1979年の歌謡曲』(いずれも彩流社)、『恋するラジオ』『チェッカーズの音楽とその時代』(いずれもブックマン社)など多数。

         

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