【初心者必見】夏に着る着物の種類と浴衣を夏着物のように着る方法

【初心者必見】夏に着る着物の種類と浴衣を夏着物のように着る方法

和服にまだ慣れていない方の中には、
「夏も和服で過ごしたいけれど、どんな着物を選べばいいか分からない」
「夏用の着物と浴衣、どっちを着ればいいのか迷ってしまう」
と頭を抱えている方も少なくないかと思います。

夏に着物を着る場合は着物を身につける状況に応じて、まず浴衣か夏用の着物かを選び、その上で何を着るか決めていくとよいです。

今回の記事では、夏に着物を楽しむ方法や着物の着方などを解説します。

目次

1. そもそも浴衣と着物の違いとは?
2. 夏に和服を着る場合は浴衣か夏用の着物
2-1. 浴衣がおすすめの場合
2-2. 夏用の着物がおすすめの場合
3. 夏用の着物の種類
3-1. 夏物の着物の代表格である「絽」
3-2. 通気性に優れた「紗」
3-3. 普段着として使われることが多い「麻」
4. 【初心者におすすめ】浴衣を夏用の着物のように着る方法
4-1. ①下着を着用する
4-2. ②浴衣を着る
4-3. ③帯を結ぶ(お太鼓結び)
5. 浴衣の着方をもっと分かりやすく知りたいなら

そもそも浴衣と着物の違いとは?

そもそも和服に馴染みがないと、浴衣と着物は何が違うのか分からないですよね。

まず、浴衣と着物では起源が異なります。
浴衣の起源は平安時代の貴族が蒸し風呂に入る際に着ていた「湯帷子」で、時代が進むにつれて風呂上がりに着るものとして普及したのが現在の浴衣です。

対して、もともと身分の高い女性が下着として着ていたものが、表着として着用されるようになったのが着物になります。

このように着物と浴衣では起源が全く違います。

また、着用時期についても異なります。
浴衣は部屋着や寝間着としてあれば通年で着ることができますが、吸汗性や通気性に優れているので、冬に外に着ていくものとしてはあまり適していません。

浴衣をお出かけの際に着ていけるのは夏の間だけになります。

一方、着物には10月〜5月によく着用される裏地のついた「袷(あわせ)」と、6月と9月に着られることが多い裏地のついていない「単衣(ひとえ)」、7月・8月に着られる最も薄い「薄物」があります。

洋服と同じように季節によって種類があるので、着物は通年にわたって着ることが可能です。

夏に和服を着る場合は浴衣か夏用の着物

夏に和服を着る場合、浴衣か夏用の着物のいずれかを着ることとなります。

どちらを着れば良いか迷ってしまう方も多いですが、状況に応じて選ぶのがおすすめです。

浴衣がおすすめの場合

着物に比べて浴衣は吸汗性や通気性に優れており、身動きも取りやすくなっているため、猛暑の中出かけたり、人混みの中に出かける際には浴衣がおすすめです。

また、街歩きなどで長時間歩く場合やカジュアルな場に出かけるときにも浴衣が適しています。

夏用の着物がおすすめの場合

浴衣は和服の中ではあくまでカジュアルな装いです。

そのため、格式高い場所に行く際や冠婚葬祭の際は夏用の着物でないとマナー違反となってしまいますので、夏用の着物を着るのがよいでしょう。

夏用の着物の種類

先述したように着物は季節によって種類があり、その中でも夏(7月〜8月)に着用されるものは薄物と呼ばれます。

ただ、薄物の中でも、生地によってさらに種類が細かく分けられており、それぞれ特徴が異なります。

夏物の着物の代表格である「絽」

1つ目が「絽」です。

「絽」は夏物の着物の代表格とも言える生地で、絽目と呼ばれる細かい穴が縞状に入っているのが特徴です。通気性に優れていることから、夏物の着物だけでなく襦袢(和服における下着)や帯に使われることもあります。

通気性に優れた「紗」

2つ目が「紗」です。

「紗」は「絽」よりも目が大きく開いている生地なので、「絽」以上に通気性に優れた、抜け感のある生地となっています。

着物や襦袢、帯以外にも夏の羽織に使用されることも多いです。

普段着として使われることが多い「麻」

3つ目は「麻」です。

「麻」は夏の着物の生地の中でも特に人気が高い生地で、お手入れがしやすい魅力があります。

ただ、普段着として使われることが多く、フォーマルな場面では着用できません。

【初心者におすすめ】浴衣を夏用の着物のように着る方法

浴衣か夏用の着物どちらを着るかは、お出かけ先の雰囲気や外出の目的によって決めるのが最も良いです。

しかし、和服に慣れていない場合、いきなり着物を着るのはハードルが高いかと思います。

その際におすすめなのが、浴衣を夏用の着物のように着る方法です。
着物と浴衣は全くの別物ですが、形状はほぼ同じなので着物のように着ることができ、帯をお太鼓結びすれば、少しフォーマルなカフェ・レストランにも出かけることができます。

また、浴衣は着物よりも手入れがしやすいため、万が一和服に慣れておらず、汚してしまっても簡単に綺麗にすることができます。

このように、浴衣を夏用の着物のように着る方法には様々なメリットがあります。

そこで、ここでは浴衣を夏用の着物のように着る方法について解説します。

①下着を着用する

STEP1:裾よけを巻く
裾よけとは体の補正をして腰のラインを綺麗に見せる、いわば和風版のコルセットのようなものです。
裾よけは色々な繊維で作られていますが、キュプラと呼ばれる繊維のものだと、シルエットが綺麗に作れる上に静電気が起きにくく、夏冬問わず使えるのでおすすめです。

裾よけを開いたら後ろから前にかけて裾よけを巻きます。

この時、裾が長すぎてしまうと浴衣から裾よけが見えてしまうので、裾の長さを足袋の上くらいの位置にすると綺麗に仕上がります。

また、裾よけを巻く際に下腹を上に移動させるかのように巻くと綺麗に仕上がります。

STEP2:肌襦袢を着る
肌襦袢を着る際には、馬乗りと呼ばれる肌襦袢の脇の少し開いている部分を大きく取ることで、着崩れしにくくなります。
また、浴衣を着る際に紐が多いと体に負担がかかってしまうため、肌襦袢は紐で固定するのではなく、セロテープで重なっている部分を固定するのがおすすめです。

STEP3:体型を整える
和装では、なで肩に見えて着崩れしにくいことから、鳩胸が理想的な体型とされています。
そこで鳩胸にするために、肌襦袢の襟の合わさった部分に2分の1カットした手拭いをセロテープで貼り付けます。
なお、胸が大きめな方はさらしを巻くと綺麗に整えられます。

②浴衣を着る

STEP1:上前と衽線を整える
浴衣に袖を通したらまず、下前(浴衣を着た際に下になる方)を入れます。
この時、下前を5cmほど上げるのがポイントです。

さらに下前を入れたら上前(浴衣を着た際に上になる方)を被せます。
上前は4〜5cmほど上げると良いです。

次に腰紐を巻きます。

この時タオルなどを巻いて体型を補正する場合もありますが、補正をすると着崩れしやすくなるので、腰紐も同じくお腹周りのお肉を移動させるように巻くのが良いです。

また腰紐は水平に巻くのではく、前側を下げて横から見たときに斜めになるように巻くのがおすすめです。

STEP2:背中を整える
腰紐が巻けたら、手刀を背中の方に入れて、おはしょりを整えましょう。
おはしょりを整えたら、衣紋を抜いて首と浴衣の間の開きを作ります

STEP3:下前のおはしょりを整える
背中を整えたら、鏡を見ながら下前のおはしょりを整えます。
この時、おはしょりを薄くするために下前を三角に折り上げましょう

STEP4:胸紐を締める
胸の下あたりで胸紐を締めましょう。
胸紐を締めたら再度おはしょりを整えます。

この時、おはしょりの丈はお腹の中心から5mm下にするとちょうど良いです。

③帯を結ぶ(お太鼓結び)

帯の結び方には色々ありますが、ここでは大人の女性におすすめなお太鼓結びをご紹介します。

STEP1:帯を締める
まず帯の無地の部分を前にして、お太鼓にする部分としない部分を調整します。
この時、お太鼓にしない部分(て先)はふくらはぎくらいの長さを確保しておくと良いです。
長さを調節できたら、て先を上にして帯をぎゅっと締めます。

STEP2:帯板を入れる
帯板を入れて再度帯を閉めたら和装クリップで固定します。

STEP3:お太鼓を作る
お太鼓にする部分(垂れ)を広げて、尾てい骨のあたりを持ち、帯枕を入れてそのまま上に持ち上げてお太鼓を作ります。

ちょうどいい位置にお太鼓が作れたら、帯枕の紐を前で結んで、結び目を帯の中心に入れます。
お太鼓の内側を整えたら帯揚げを締めます。

STEP4:お太鼓の形を決める
帯揚げを締めたら、尾てい骨あたりに仮紐をつけます。
次に帯と仮紐を片手で抑えながら垂れを持ち上げて、垂れの位置を調節します。
この時、垂れの位置はお尻の最も高い場所から5mm下あたりがちょうどよいです。

お太鼓ができたら仮紐を前で締め、て先をお太鼓の中に入れ2〜3cm出るように調整します。反対側の余った帯もお太鼓の中に入れ、最後に帯締めを結びます。

帯締めはメインの色を左側に持ってくると良いです。

STEP5:帯揚げを処理する

帯揚げを四つ折りにして前でクロスして、帯の中に縦に入れ込みます。
夏の着物なので、帯揚げは見せないのがポイントです。
最後に仮紐を解いて和装クリップを外して完了です。

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