1983年の「徳川家康」以来40年ぶりの家康単独主役となったNHK大河ドラマ「どうする家康」。
本記事では、大河ドラマに登場した三英傑(織田信長・豊臣秀吉・徳川家康)の愛刀をご紹介。また刀剣にまつわるNHKの番組や書籍、特別講座も合わせてご案内します。
目次
1. 三英傑と名刀
・織田信長が使っていた刀
・豊臣秀吉が使っていた刀
・徳川家康が使っていた刀
・三英傑(織田信長・豊臣秀吉・徳川家康)が使っていた刀
2. 刀剣関連講座
・「知られざるサムライアートの世界へ 名刀名品の見どころがわかります!」
1. 三英傑と名刀
戦乱の世に生きた織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の愛刀、そして三英傑に引き継がれた刀剣も。東京・岡崎・静岡で開催された「NHK大河ドラマ特別展 どうする家康」で公開された品々からご紹介します。(※展覧会は終了しました)
・織田信長が使っていた刀
国宝 太刀 銘 長光(号 大般若長光)鎌倉時代 東京国立博物館
室町幕府十三代将軍・足利義輝より三好長慶を経て、織田信長が所持した刀。その後、姉川の戦いで浅井・朝倉連合軍を破った功績を称え、礼として徳川家康に贈られました。その後、家康から長篠の戦いで武田勝頼軍の包囲から城を守り抜いた戦功で奥平信昌へ。「大般若長光」は、備前の刀鍛冶・長船長光の傑作で当時六百貫文という破格の代付がつき、六百巻からなる「大般若経」より名づけられました。
参考:【図録】NHK大河ドラマ特別展「どうする家康」
・豊臣秀吉が使っていた刀
国宝 短刀 無銘貞宗(名物徳善院貞宗) 南北朝時代(十四世紀)東京・三井記念美術館
織田信長の嫡男・信忠、本能寺の変の後に小田家の家督を継いだ秀信(三法師)を経て、豊臣秀吉に贈られた刀。秀吉から豊臣政権の五奉行のひとり、徳善院玄以(前田玄以)、その子の茂勝から徳川家康に献上されました。華やかな刃文が美しい刀の作者・貞宗は名工として知られる相州正宗の子、または養子として伝えられています。
参考:【図録】NHK大河ドラマ特別展「どうする家康」
・徳川家康が使っていた刀
重要文化財 太刀 無銘 光世 切付銘 妙純伝持 ソハヤノツルキウツスナリ 鎌倉時代(十三世紀)静岡・久能山東照宮博物館
徳川家康の晩年の愛刀。家康は逝去の前日にこの刀で罪人の試し斬りを行い、自らの死後は剣威で子孫を鎮護すると述べたと伝わっています。また遺言の中では、不穏な動きのある西国に刀の切っ先を向けて安置するようにとの言葉も。作者は筑後国三池の典太光世、鎌倉時代後期の作とみられています。
参考:【図録】NHK大河ドラマ特別展「どうする家康」
・三英傑(織田信長・豊臣秀吉・徳川家康)が使っていた刀
重要文化財 金象嵌銘 永禄三年五月十九日義元討捕刻彼所持刀織田尾張守信長(名物 義元左文字)南北朝時代(十四世紀)京都・建勲神社
桶狭間の戦いで今川義元が討たれた際、勝利した織田信長が召し上げて自らの指料とした刀。その経緯が刀に彫られた金文字で記されています。信長の死後は豊臣秀吉が入手。その後、息子の秀頼から、徳川家康に贈られました。「東照宮御実紀」には家康が替鞘を多く造らせて、愛用したとの記述も。今川の前は細川晴元に仕えた三好政長、甲斐守護・武田信虎が所持。多くの武将たちの手を渡り歩いた名刀のひとつです。
参考:【図録】NHK大河ドラマ特別展「どうする家康」
2. 刀剣関連講座
「知られざるサムライアートの世界へ 名刀名品の見どころがわかります!」(NHKカルチャー青山教室)
国宝指定の刀剣122口のうちの大多数109口を紹介し、さらに国宝の甲冑全19領を網羅した美術書『名刀甲冑武具大鑑』発売を記念した特別講座。日本刀や甲冑は洗練された美しさと奥深さを放つことから「サムライアート」として海外からも注目されています。
本講座では講師に小川盛弘先生(メトロポリタン美術館名誉特別顧問・ボストン美術館名誉部長)、司会進行・聞き手にNHK元キャスター・篠原佐和さんを迎えて開催。本書収録の美しい画像を紹介しながら、名品を満喫する心構えを指南します。アメリカ・ボストン美術館収蔵の日本の武器・武具調査研究に従事してきた小川先生の貴重な講義をぜひ聴講ください。
*申し込みは終了しました。
3. 刀剣関連書籍
・名刀甲冑武具大鑑
天下の名刀、鎧・兜の名品、多彩な戦具の名作など316件を迫真の600余点のビジュアルで紹介する『名刀甲冑武具大鑑』がNHK出版より2023年7月5日に発売しました。日本美の深奥を堪能する永久保存版。