100軒以上の古民家カフェを探訪!「ふるカフェ系ハルさんの休日」渡部豪太さん・村上Pインタビュー

100軒以上の古民家カフェを探訪!「ふるカフェ系ハルさんの休日」渡部豪太さん・村上Pインタビュー

 俳優の渡部豪太さん演じるカフェブロガー・真田ハルが出会う全国の古い建物のカフェ“ふるカフェ”の魅力や地元の人々との交流を描くNHKの番組「ふるカフェ系ハルさんの休日」。2023年2月のDVDの発売にあわせて主演の渡部さんと番組プロデューサー・村上恵美子さんにインタビュー。おふたりに古民家の魅力や番組制作の裏話などを聞きました。
 

目次

1.古民家に感じるエンターテインメント性、特別感
2.ハルさんと渡部さんの共通点・相違点
3.渡部豪太流カフェの過ごし方
4.地元の方と演じる、交流する楽しさ
5.渡部さん・番組プロデューサー村上さんから読者へのメッセージ

放送予定
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1.古民家カフェの魅力と楽しみ方

――2016年に番組がスタートしてから、100軒以上の古民家カフェを訪れたそうですね。印象に残っているカフェはありますか?

渡部:本当にたくさんあるんですが…(笑)栃木県那須町で出会った古い牛舎をリノベーションしたカフェがそのひとつですね。牛梁というものすごく太い梁を渡していたのですが、それを見ただけで牛に対する愛を感じたんです。

村上:どれだけ牛を大事にしていたかが伝わりましたね。牛舎があんな立派なカフェになってしまうとは(笑)宮大工の職人さんもここはすごいと認めていました。日本の昔の職人さんのすごさが見られるっていうのも古民家カフェの魅力だと思います。

渡部:この場所に歴史上の人物が来ていたかもしれないと思うとまたおもしろいんですよ。

村上:築150年!みたいな築年数を聞いて建物を見るだけでも、全然見方が変わると思うんですよね。

渡部:古民家カフェでは現代建築では再現できない建材を使用したり、建築技法を施していたりするのでこの時代においてはいい意味で違和感になっているんです。古くて新しい。矛盾していますけど、その矛盾は成立しているんですよね。それくらいの重厚感と説得力がある梁を見ながらコーヒーを飲むことができるのも古民家カフェの魅力だと思います。

 

2.ハルさんと渡部さんの共通点・相違点  

――ハルさんと似ていると思うところはありますか。

渡部:似ているのは食べ物の好き嫌いがないところですかね。なんでも食べます。

村上:昔、しいたけがダメだっていう設定を作ったんです。ある時、しいたけまんじゅうがカフェメニューに出てきて「しいたけが苦手だけど、どうしよう」と。でも思い切って食べたらすごくおいしかった(笑)その後もしいたけ料理はおいしいって食べていますね。

渡部:しいたけを克服したというか、食べられるようになったんですよ(笑)

――異なるところはありますか。

渡部:ハルさんは音痴なんですけど、私は決してそうではありません。それと…あの人、ヘンタイですからね(笑)

村上:半分くらいはハルさんが入ってるんじゃない!?半分までいかないか(笑)ハルさんは運動神経が悪いことになっていますけど、渡部さんはいいんですよ。おっしゃるように音痴じゃないし…。おばあちゃん子とか細かいことを気にしたり、よく見ていたりするところは渡部さんの部分があるかもしれないですね。

 

3.渡部豪太流カフェの過ごし方  

――カフェはよくプライベートでも利用されますか。

 渡部:もともと純喫茶が好きでカフェは苦手だったんですよ。緊張してしまうので(笑)でも最近はランチのボリュームも多めになってきたので行くようになりました。もし、素敵なお庭があるカフェで庭が望める席に着くことができたら、庭に植えられている花とか飛んでくる虫とかを眺めて過ごすのが贅沢だなと思います。

読みたい本を持ってカフェに行くこともありますね。でも、素敵なお客さんがお話をしていたら本を読むフリをしながら、ずっと話を聞いていたりとかもします(笑)。窓辺の風景を楽しむのも、隣のお客さんの会話に聴き耳を立ててしまうのも出会いだと思うんですよね。座れる席も出会いだし。その場の行き当たりばったりの状況、森羅万象を楽しんでいます。

好きな席を選べる場合、メニュー選びと同じくらいエネルギーを使いますね。席によって向こう1時間の自分の運命、店を出た後の自分のテンションも変わってくるはずじゃないですか。物件選びくらい気を遣います(笑)でも、カフェの玄人になってくるとどんな席でも良く感じるようになってくるんですよ。一周して(笑)柔軟になってくるじゃないけど。

――ハルさんが座る席にもこだわりが感じられます。

村上:ハルはお庭が見えることなどを割と大事にしているんです。普段だったら撮影ポジションにしないよねという本当に撮影泣かせのポジションにすることもありますね。でも、やっぱりハルだったらここに座りたいだろうなという場所を選んでいます。

また、カフェの中の私たちが考える特等席をハルくんに座ってもらうようにしていますね。それが自然に映るように他の席には全部エキストラさんが座っている(笑)。お好きな所へどうぞと言われても、そこしか空いてないみたいな…不思議ですけど(笑)。放送後には「ハルくんが撮影で座った席に座りたい。同じものを食べたい」というお客さんが訪れるそうですよ。

 

4.地元の方と演じる、交流する楽しさ

――この番組ではカフェの店主の方など地元の皆さんが“自分の役”で出演されていますね。

渡部:大前提として、人間って誰でも演技ができるんですよ。実はみんなは普段から演じているんです。それを技術として1000人のお客様に見せられるかどうかは別の話で。演技はみんなができるスキルとしてひとつなんですね。

そうはいっても、用意されたセリフを読みながら実際に私と一緒に演技をするのはまた違うこと。皆さん間違えないように気にされて、ものすごい練習をして撮影に参加されています。

セリフはディレクターと地元の方とがディスカッションを重ねて作っているので、無理のないものなんですね。そのセリフを一言一句違わずともいいので、こんな感じのことを話してくださいと。だから半生演劇?みたいな。演劇ってそういうものであるべきだと思いますし。

村上:どうしても地元の方々が何回も間違えてしまうこともあるんですよ。そんな時は渡部さんが「こういう風に言ったら言いやすくないですか?」とかちゃんと指導をしてくれる。こちらとしては本当にありがたい限りですね。

――ハルさんを演じる上で大切にしていることはありますか。

渡部:ハルの設定に「人見知り」があるんですよ。あまり社交的ではないからこそ、ひとりで旅に行っちゃうんですけど。ハルに欠けたものを補填するように周りの人が声を掛けてくれたりすると思うんですよね。「なんだかほっとけない」「この人としゃべりたい」と周りの人がおせっかいを焼きたくなるようなかわいらしさは常に持っているべきなのかなと。

――撮影の時には地元の方と交流されたりも。

渡部:セッティング中に私はハルさんが座っている場所で本を読んだりしているんです。その様子を見てお店の方が「お茶を飲みますか?」と声を掛けてくださったり、エキストラの皆さんから「あそこに行きましたか?」とたずねられたりしますね。

村上:みんな渡部さんをハルさんと呼んでいるんですよ。地元の方との距離が近いので美味しい店やいいお風呂屋さんを聞いたりする交流が多いです。

渡部:私はコミュニケーションが大好きなんですよ。地元の皆さんからの情報ってめちゃくちゃ大事じゃないですか。そこが一番栄養豊富というか。地元の方との交流は大切にしたいなと思っていますね。

 

5.渡部さん・番組プロデューサー村上さんから読者へのメッセージ

【真田ハル役・渡部豪太さん】

使い捨てられるものが多い社会の中で、それとは真逆の、磨けばずっと使える大切なものを大事にしている番組です。自分の周りにも磨けばこんな価値が灯るんだみたいなものがあることに気付ける番組にしたいですね。

DVDはテレビ放送では使われていない音楽などが使われていて、少し違った雰囲気が感じられると思います。日本という国を古民家カフェでつないだDVDになるので、日本探訪じゃないですけど旅系DVDとしての楽しみ方もあるのではないかなと。休日に出かけるのは億劫だけど旅がしたいという方にゆるい感じで見ていただきたいです。それとおじいちゃん、おばあちゃんへのプレゼントにもおすすめですね。これからもぜひよろしくお願いします。


【番組プロデューサー・村上恵美子さん】

2022年は地方に撮影に行くことが叶い、1都9県で作ることができました。DVDには放送順に入れたのですが、不思議と建築的なつながりがありましたね。それぞれのカフェの特色が違うので、10本見ると理解が深まって楽しいですよ。

◆放送予定

4月6日(木)から新シーズンがスタート!!

Eテレ 毎週木曜 22時30分~
(再)Eテレ 毎週日曜 18時30分~ / 総合 毎週木曜 11時05分~(翌週)

「ふるカフェ系 ハルさんの休日」番組公式サイト


◆関連商品

ふるカフェ系 ハルさんの休日 DVD-BOX 全2枚

渡部さん演じる真田ハルが地元の人々と交流しながら、全国の“ふるカフェ”の魅力を綴る「ふるカフェ系 ハルさんの休日 DVD-BOX 全2枚」が好評販売中です。ぜひおうちで日本の“ふるカフェ”探訪をお楽しみください!

 

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ライター
高田りぶれ(たかだ・りぶれ)


山形県生まれ。ライターなど。放送作家のキャリアを生かし、テレビ・ラジオ番組のおもしろさを伝える解説文を年間150本以上執筆。趣味は観ること(プロレス、サッカー、相撲、ドラマ、お笑い、演劇)、遠征、料理。
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