2000年の美と歴史を巡る「永遠の都ローマ展」開幕!見どころやグッズを徹底レポート

2000年の美と歴史を巡る「永遠の都ローマ展」開幕!見どころやグッズを徹底レポート

東京・上野の東京都美術館で「永遠の都ローマ展」が、開幕しました。

世界最古の美術館のひとつとされる、イタリア・ローマの「カピトリーノ美術館」の所蔵品を中心に、約70点の彫刻・絵画・版画などが展示。

古代ローマ帝国の栄光を礎に、ヨーロッパにおける政治、宗教、文化の中心地として発展したローマの歩みと重ね合わせながら、作品を堪能できる内容となっています。

本記事では、「永遠の都ローマ展」の見どころと、グッズをレポートします。

目次

1. カピトリーノ美術館とは
2. 「永遠の都ローマ展」の見どころ
2-1. 驚きの大きさ!「コンスタンティヌス帝の巨像」
2-2. 奇跡の初来日!「カピトリーノのヴィーナス」
2-3. 16~18世紀の絵画館コレクションの数々
2-4. 4K映像で見るローマの歴史と美術
2-5. 特集展示「カピトリーノ美術館と日本」
3. 公式図録・グッズの紹介
4. 開催概要

 カピトリーノ美術館とは

ローマの2000年を超える歴史と比類なき文化は、古代には最高神を祀る神殿がおかれ、現在はローマ市庁舎のあるカピトリーノの丘を中心に築かれました。

カピトリーノの丘には、ミケランジェロが設計した「カンピドリオ広場」があり、その広場に「カピトリーノ美術館」はあります。
この美術館は、ルネサンス時代の教皇シクストゥス4世が、ローマ市民に4点の古代彫刻を寄贈したことからはじまりました。
古代遺物や、ヴァチカンに由来する彫刻、名家からもたらされた絵画など、コレクションは多岐にわたります。 

カンピドリオ広場のカピトリーノ美術館©Roma, Sovrintendenza Capitolina ai Beni Culturali

「永遠の都ローマ展」の見どころ

驚きの大きさ!「コンスタンティヌス帝の巨像」

頭部だけで高さ約1.8メートルのスケールをもつ巨像は、カピトリーノ美術館誕生のきっかけにもなった重要な彫像のひとつ。

本展では、巨像の頭部、左足、左手、さらにルーヴル美術館で近年発見された人差し指の複製をあわせて展示しています。

 

「コンスタンティヌス帝の巨像の頭部(複製)」1930年代(原作は330-37年)ローマ文明博物館蔵

「コンスタンティヌス帝の巨像の左手(複製)」1996年(原作は330-37年)ローマ文明博物館蔵

「コンスタンティヌス帝の巨像の左足(複製)」2021年(原作は312年頃)ローマ文明博物館蔵

奇跡の初来日!「カピトリーノのヴィーナス」

古代ギリシャの偉大な彫刻家プラクシテレスの女神像(前4世紀)に基づく2世紀の作品。ミロのヴィーナス(ルーヴル美術館)、メディチのヴィーナス(ウフィッツィ美術館)に並ぶ古代ヴィーナス像の傑作として知られています。

カピトリーノ美術館以外では滅多に見ることができない作品です。(※東京会場限定展示)

「カピトリーノのヴィーナス」(2世紀)カピトリーノ美術館蔵※東京会場限定展示

16~18世紀の絵画館コレクションの数々

カピトリーノ美術館の絵画館コレクションより、1618世紀に活躍した画家たちの作品を中心に展示されています。
当時のイタリアではどのような画家が活躍し、また当時主流だった画題や表現を知ることができます。

保管の状態もよく、その美しさに魅了される作品ばかりです。

左:「教皇ウルバヌス8世の肖像」(ピエトロ・ダ・コルトーナ/1624-27年頃)、右:「聖母子と天使たち」(ピエトロ・ダ・コルトーナ/1625-30年)ともにカピトリーノ美術館 絵画館蔵

4K映像で見るローマの歴史と美術

展示ブースには、NHKが制作した本展に関する映像が流れています。

本展監修者の加藤 磨珠枝氏(立教大学文学部キリスト教学科教授)は、「ローマが有する膨大な芸術というのは、この展覧会ですべては表せないですが、展示の各場所に映像作品が上映されていますので、これと併せて見ていただくことで、みなさまが想像力を働かせながら、ローマの芸術を感じていただけたらと思います」と、コメントしています。

特集展示「カピトリーノ美術館と日本」

150年前に明治政府が派遣した「岩倉使節団」が、カピトリーノ美術館を訪ねています。使節団の訪欧は、後の日本における博物館施策に大きな影響を与えました。

1876年に工学寮美術校(のちの工部美術学校)が設立され、国外から指導者たちが招聘されると、イタリア各地の施設が所有していた古代彫刻にもとづく石膏像が指導教材として日本に持ち込まれました。

本展で展示されている「欧州婦人アリアンヌ半身」は、小栗令裕氏が、イタリアから教材としてもたらされた「ディオニュソスの頭部」を真似て制作したものです。

左:「ディオニュソスの頭部」(2世紀半ば)カピトリーノ美術館蔵、右:「欧州婦人アリアンヌ半身」(小栗令裕/1879年)東京大学大学院工学系研究科建築学専攻蔵 展示風景

公式図録・グッズの紹介

「公式図録」

全出品作品の詳細な解説はもちろん、主要作品には拡大図も掲載されています。

展覧会監修者のクラウディオ・パリージ=プレシッチェ氏(ローマ市文化財監督官)、加藤磨珠枝氏によるエッセイも収録。

そのほか、カピトリーノ美術館のコレクションの歴史やミケランジェロの広場構想を紹介したコラムなど、これ1冊で本展の魅力を心ゆくまで楽しめます。 

「グッズ」

ローマに関連するグッズが目白押し、ここでしか買えないものもたくさん揃っています。

ローマのシンボルともいえる作品「カピトリーノの牝狼」をモチーフにしたぬいぐるみ。ちょっととぼけた顔がユニーク。

大きめサイズで使いやすいトートバッグは、ナチュラルとネイピーの2色。 

おしゃれなデザインのTシャツ(左)と、これからの季節におすすめのフーディ(右)。

タオルハンカチのほか、一筆箋、ボールペン、石膏像の消しゴムなどのぶん防具や、アクセサリーも揃っています。

365日の日付入り「アクリルキーホルダー」。推しの誕生日で選ぶのもおすすめ。

開催概要

【東京会場】

■会期:2023916()1210()
■会場:東京都美術館(東京・上野公園)
■開室時間:9:3017:30、金曜日は9:3020:00(入室は閉室の30分前まで)
■休室日:月曜日、1010()
※ただし、109(月・祝)は開室 

【福岡会場】

■会期:202415() 310()
■会場:福岡市美術館(福岡・大濠公園)
■開館時間:午前930分~午後530分(最終入館は閉館の30分前まで)
■休館日:月曜日、19()213()
18(月・祝)、212(月・祝)は開館

※展覧会は終了しました。

関連商品

公式図録 

永遠の都ローマ展
¥3,000

◆レポート/ライター
亀井惠美子(かめい・えみこ)

東京都生まれ。出版社勤務を経て、フリーの編集・ライターとして活動。主に女性誌やインタビュー記事など。趣味はエンタメ(舞台・ドラマ・映画)鑑賞と、編み物。

         

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