アンリ・マティスの大回顧展『マティス展』の見どころをレポート!

アンリ・マティスの大回顧展『マティス展』の見どころをレポート!

「フォーヴィスム(野生派)」と呼ばれる純粋な色彩による絵画の様式を生み出し、20世紀美術史において重要な人物として知られるアンリ・マティス(1869-1954)。

そんなマティスの初期から晩年に至るまでの作品を集めた大回顧展「マティス展」が、上野にある東京都美術館にて開催されています。

絵画や彫刻、切り紙絵に至るまで様々な作品を残したマティス。
今回は、約150点にものぼる名品を紹介している「マティス展」の見どころについてレポートします!

目次

1. 必見!「マティス展」の3つの見どころ
1-1. マティス・コレクション150点を大公開
1-2. 絵画だけでなく彫刻や切り紙絵も
1-3. ミュージアムグッズも魅力的
2. マティス展の開催概要

必見!「マティス展」の3つの見どころ

日本では約20年ぶりの開催ということで、注目されている「マティス展」。
見どころたっぷりな本展ですが、今回は厳選して注目ポイントをご紹介します。

マティス・コレクション約150点を大公開

世界最大規模のマティス・コレクションを有するポンピドゥー・センターの全面協力で実現した本展では、約150点の名品が紹介されています。

その中でも最初に紹介されているのが、マティスの初期の作品。

アンリ・マティス《読書する女性》 1895年 ポンピドゥー・センター/国立近代美術館
Centre Pompidou, Paris, Musée national d’art moderne-Centre de création industrielle

この『読書する女性』は、1896年にマティスが国民美術協会展に初参加した際に出展した作品の1つです。
アンニュイで控えめな雰囲気漂うこの作品。本を読む女性がどのような表情をしているのかとても想像力を掻き立てられます。

そして必見とも言えるのが日本初公開となる『豪奢、静寂、逸楽』です。

アンリ・マティス《豪奢、静寂、逸楽》 1904年 ポンピドゥー・センター/国立近代美術館
Centre Pompidou, Paris, Musée national d’art moderne-Centre de création industrielle

1904年の夏、新印象派の中心人物であるポール・シニャックの招きで南仏を訪れたマティス。本作は南仏からパリに戻った後描かれたとされており、新印象派の絵画のような雰囲気が伺えます。

この『豪奢、静寂、逸楽』はマティスの初期の傑作とされており、高い評価を受けています。

どちらもマティス初期の作品ですが、全く異なるタッチで描かれており、同じ画家が描いた作品には見えないのが面白いところ。
マティスは年代を追うごとに絵画の雰囲気が変わっており、表現技法の移り変わりを楽しめるのも本展の魅力の1つでしょう。

アンリ・マティス《金魚鉢のある室内》 1914年 ポンピドゥー・センター/国立近代美術館
Centre Pompidou, Paris, Musée national d’art moderne-Centre de création industrielle

アンリ・マティス《赤の大きな室内》 カンヴァス ポンピドゥー・センター/国立近代美術館
Centre Pompidou, Paris, Musée national d’art moderne-Centre de création industrielle

絵画だけでなく彫刻や切り紙絵も

マティスが後世に残したのは絵画だけではありません。
彼は絵画に役立つ方法を見つけるため彫刻を用いており、本展では彫刻も多く展示されています。
彫刻の中でも特に圧倒されるのが『背中I〜IV』です。

アンリ・マティス《背中I~IV》 1909-1930年 ブロンズ ポンピドゥー・センター/国立近代美術館
Centre Pompidou, Paris, Musée national d’art moderne-Centre de création industrielle

なんと2mにも及ぶこれらの作品が展示室にズラッと並ぶ様は圧巻です。
マティスはこの他にも彫刻を残しており、そのモチーフは人物であったり動物であったり様々。
作品によっては彼が自分の絵画に役立つ方法を見つけるために用いたものもあり、表現へのこだわりが伺えます。

また、彼は切り紙絵にも挑んでいます。

アンリ・マティス《イカロス(版画シリーズ〈ジャズ〉より)》 1947年 ポンピドゥー・センター/国立近代美術館
Centre Pompidou, Paris, Musée national d’art moderne-Centre de création industrielle

切り紙絵の作品は晩年のものが多く、本展ではアトリエで紙を切るマティスの写真も。
作品1つ1つを巡るごとに、多彩なマティスの世界観を味わうことができます。

最後のコーナーはマティスの最晩年の最高傑作「ロザリオ礼拝堂」。

©NHK

マティスは最晩年にあたる1948年から1951年にかけて、建築、装飾、家具、オブジェ、典礼用の衣装なども含むこのロザリオ礼拝堂のプロジェクトに没頭していました。その建物から内部の様子、マティスが愛した午前11時に差し込む冬の光などをNHKで高輝度・高画質の映像機材で撮影された4Kの高精細映像でご覧いただけます。

ミュージアムグッズも魅力的

マティス展は展示内容だけでなく、ミュージアムグッズも充実しています。
ミュージアムショップに足を踏み入れると、ずらりと並ぶのがこちら。

なんと全て本展の図録。
表紙の種類は3種類で、お気に入りのデザインを選ぶことができます。

ミュージアムショップお馴染みのポストカードも充実。
自宅でもマティスの作品を楽しむことができます。

また、本展では少し珍しいグッズも。
例えばこちら。

かなり小さなミニトート。
普段のちょっとしたお出かけに便利なサイズとなっています。
美術館巡りの際に貴重品を入れておくのもおすすめです。

他にも食器なども取り扱っています。
ロゴがとてもおしゃれなグラスや、ヴァンス礼拝堂、ファサード円形装飾が描かれたマグも。

さらに、雑貨だけでなく食品も取り扱っています。

展示内容からミュージアムショップまで見どころ満載の「マティス展」。

ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

マティス展の開催概要

会場
東京都美術館 企画展示室
会期
2023年4月27日(木)~8月20日(日)
開室時間
9:30~17:30、金曜日は20:00まで
※入室は閉室の30分前まで。
休室日
月曜日、7月18日(火)
※ただし、5月1日(月)、7月17日(月・祝)、8月14日(月)は開室

 ※展覧会は終了しました。

         

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