NHKグループの中でも、特にコンテンツ制作を担当している5社。……と聞いても、正直区別がつかないし、どんな仕事をする会社なのか、いまひとつピンとこないという皆さんへ。各社の若手社員に、自分が勤める会社についてのあれこれ、自身の体験をまじえて語ってもらいました!ぜひ参考にご一読ください。
※2023年9月におこなったインタビューをもとに構成しています。
1.(株)NHKエンタープライズ
2.(株)NHKエデュケーショナル
3.(株)NHKグローバルメディアサービス
4.(株)NHKプロモーション
5.(株)NHKアート
【NHKエンタープライズ】
M.Sさん
NHKエンタープライズ
デジタルソリューション事業部 DX推進部
(2014年入社)
主な仕事は2つ!
番組制作とコンテンツビジネス
NEP(「ネップ」と読みます!)の主な仕事は、大きくわけて2つあります。
まずは、NHKで放送する番組の制作です。ジャンルはものすごく広くて、「チコちゃんに叱られる!」から「ダーウィンが来た!」などの自然番組、ドラマ、アニメ、「映像の世紀」などのドキュメンタリーまで、多岐にわたっています。その数、なんと年間1.9万本。番組の最後に流れるクレジットで、社名を見たことある人も多いのでは。
もうひとつが、NHKのコンテンツを放送以外に広げるビジネス領域の仕事です。例えば、「忍たま乱太郎」のミュージカルや「学生ロボコン」などのイベントを企画・運営、番組のキャラクターのグッズを制作・販売など。番組を作って放送するだけにとどまらない事業展開をしています。この2つめの仕事こそが、NHKとNEPとの大きな違いです。
ABUロボコン
私が入社を決めたわけ
私自身は、理科系の大学院卒。友人には、IT系やエンタメ系の企業を志望する人が多かったのですが、私は、もっと「公共的」な仕事がしたかった。かつ「デジタル」「ビジネス」もキーワードでした。そんな中、ビジネスのチャンスが広いこと、内定者や先輩などにいろいろな人がいて楽しいこと、そして社員数800人というのも、自分にとっては程よい規模だと思って決めました。今も、その判断は間違ってなかったなと思っています。
学びや発見、成長を実感する日々
NEPでは、入社1〜2年目はコンテンツディレクターとして番組やイベント作りに携わり、しっかりコンテンツ制作の技術を身につけます。そして3年目から、それぞれキャリアが分岐。私は、今はネットビジネスを担当しています。
例えば、Netflix、Amazonなどでも、NHKのコンテンツが見られることを知っていますか? そんなネット動画配信サイトへのコンテンツ提供が主な仕事です。それら外資系企業との交渉は、とてもタフなものですが、だからこそ学びや発見も多く、日々、自身の成長を実感することができています。
こんな人がNEPに向いています!
番組制作だけではなく、外へ向けたコンテンツ展開に興味がある人。「デジタル×エンタメ」「デジタル×映像」「デジタル×公共」と聞いてワクワクする人。好奇心の幅が広く、どんなジャンルにも挑戦できる人。そして、自分なりの「面白い!」を見つけて、それを周りに共有できる人。そんなあなたは、完全にNEP向きです! 好奇心あふれる皆さんと、同じ職場で働ける日を楽しみにしています。
【NHKエデュケーショナル】
I.Rさん
NHKエデュケーショナル
生活グループ ディレクター
(2019年入社)
あらゆる世代の学びたいに応える
教育に関する専門集団として
NED(通称「ネッド」です!)の使命は、あらゆる世代の「学びたい」に応えること。Eテレで放送されるものが多いですが、総合やBSの番組もあります。いわゆる子ども向け番組だけを作っているわけではないんです。「きょうの料理」や「きょうの健康」のように生活に必要な情報を伝えるものから、「日曜美術館」「美の壺」といった美術・教養番組まで。ほかにも、語学、科学、趣味実用など、さまざまなジャンルの学びの(教育)コンテンツを制作しています。さらに、「びじゅチューン」や「TAROMAN」のような、遊び心あふれるものも……!
そして、番組から派生したイベントを行ったり、グッズや書籍を作ったりもしています。例えば、「おかあさんといっしょ」のコンサートを企画・運営したり、映画版『おかあさんといっしょ』を制作したりといった具合です。
学ぶことの楽しさを伝えたい!
そう思ってNEDを選びました
入社前、学生時代の私の関心は、もっぱら「科学」でした。光るタンパク質を作ったり、細菌を飼ったり、毎日、研究漬けの日々を送っていました。そんな私がNEDを選んだのは、やっぱり、学ぶこと、特に科学の楽しさを広く伝える仕事がしたいと思ったからです。
そして、実際に、まさに希望していた仕事ができたときは、うれしかったですね。人間の体が、どのようにウイルスと戦っているのか、模型などを使って子どもたちに伝える番組だったのですが、とても楽しかったし、印象に残っています。
ちなみに、入社1年目は医療・健康番組の制作、2年目は子ども番組制作と関連のイベント運営、3年目は新番組の開発、4年目からは料理番組と教養番組に携わっています。
「ワクワクしそう」と思ったら……
この仕事の醍醐味は、取材を通して、普段会えない人に会える、これまで知らなかった世界をのぞくことができることです。また、さまざまなコンテンツを通して、自分が感じたことや感動を届けられる喜びも。そして、いちばんうれしい瞬間は、イベントで楽しそうな子どもたちを見たとき、「番組面白かったです!」というお便りをいただいたときですね。ここまで読んで、「なんだかワクワクしそうだ!」と思ったら、NEDにぜひご応募ください!お待ちしています。
職場はこんな雰囲気です!
【NHKグローバルメディアサービス】
N.Mさん
NHKグローバルメディアサービス
スポーツセンター
(2017年入社)
報道・スポーツはお任せあれ!
モットーは「感動をライブで伝える」
Gメ(社名が長いため、略称にNが入りません!)の特徴は、報道系コンテンツ制作のために必要なスキルを持った、スペシャリストが集っていることです。具体的な番組名では、「おはよう日本」「クローズアップ現代」などを制作しています。
さらに、スポーツ中継も得意分野。野球、サッカー、大相撲、オリンピックにパラリンピック、ワールドカップまで、NHKで放送されるスポーツ大会の放送は、ほとんど全て、Gメが担っています。その流れで「ワースポ×MLB」「レジェンドの目撃者」「スポヂカラ!」「スポーツ酒場“語り亭”」などの番組も制作。
国際分野のプロもいるので、「BS1スペシャル」「キャッチ!世界のトップニュース」なども担当。ユニバーサルサービスとして、字幕制作や「手話ニュース」も手がけています。
さまざまな事業の 「スペシャリスト」 を養成
入社1年目から“活躍の場”が!
とにかく場数が踏める環境です
私がGメに入ったのも、スポーツに関わる仕事をしたかったから。大学のときにスポーツ新聞部に所属し、頑張るアスリートたちの姿に心揺さぶられ、それを伝えることで皆を元気にしたいと思いました。
そして、その希望は、入社後すぐに実現しました。半年も経たないうちに、相撲の場所から全豪オープンテニス、ラグビーW杯、東京五輪……。どんどん現場に送り込まれて、戸惑いつつも、たくさんのアスリートたちの活躍を目の前で見ることができました。
楽しかった、感動したというのもありますが、若いときにそれだけ実地で経験を積ませてもらえることは、私にはありがたかった。とにかく場数を踏んだ分、成長も早かったかなと思うので。今は中継ディレクターとして、時には100人を超えるスタッフを現場でまとめる仕事をしています。
こんな人と働きたい!
私が一緒に働きたいと思うのは、「自分の意思を伝えられる人」。最初はスキルはなくても大丈夫。それより、さまざまな年齢や立場のスタッフたちと仕事をする中で、ともに目標を達成するため、周囲に自分の思いを伝えることは、何より大切だと実感しています。
うまく言えなくても、ふわっとしていてもいい。気になったことや思ったことを口に出せば、きっと周りが力になってくれるはずです。ちなみに、入社8年目の私の場合、もっと周りの意見を聞き、その上で、それをどう自分の意思に生かしていくのかを意識しています。ぜひ一緒に、がんばっていきましょう!
【NHKプロモーション】
O.Sさん
NHKプロモーション
(2016年入社)
番組と連動しながら、本物の力を通じて
感動との出会いをプロデュース
私たちは、NHKの番組と連動しながらイベントの企画、制作、運営を行う、イベント事業に特化した会社です。テレビ画面越しではなく、実際にリアルに触れることで得られる感動を、皆さんに提供するのが仕事です。
例えば、美術展など展覧会の開催。音楽関係のステージイベント、子ども向けファミリーイベントの実施。また国際的な式典や地域に密着した産業振興フェスティバルなど、多種多様なイベントを開催しています。
ポンペイ展に、国宝展
話題の展覧会を開催しました!
2022年、4会場を巡回した特別展「ポンペイ」は、NHKプロモーションが主催する大規模展覧会の一つでした。国内外から作品をお借りして開催する展覧会は、学芸員さんたちと展示内容を一から組み立てたり、展覧会図録やポスター・チラシなどの制作に携わったりと、広範囲な業務を担当します。苦労の連続で大変なことも多いですが、その分やりがいも大きいです。また、東京国立博物館の創立150年を記念して開催した、特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」は、35万人ものお客様にご来場いただきました。このように、たくさんの方に本物の魅力を体験してもらえることが、展覧会をはじめとするイベント業務の魅力です。
ちなみに、私たちの展覧会情報は、X(旧ツイッター)のアカウント「@NPStenpaku」でチェックしてみてください。若手社員が日々情報更新していて、展覧会会場から、学芸員による見どころ解説などを生配信しています。
働く先輩たちの声は?
イベントならではの楽しさと大変さ
会社の規模は社員数約60人、オフィスもワンフロアという小さな所帯です。なので、いつでも一緒に働く仲間が見渡せるオープンな職場環境。そんな当社で働く若手社員の皆に、働いてみた感想を聞きました!
Q.働いていて楽しいところは?
A.「イベントの現場で、お客様の笑顔や感動の涙が見られる」
Q.大変なところは?
A.「出張、イベント現場での立ち会いなどが多いので、体力的にハードなときもある」
Q.一緒に働くならどんな人がいい?
A.「イベントの制作・運営は、多くの関係者とチームを組んで仕事を進めていきます。初めて会う人ともコミュニケーションを楽しめる方や、仲間と話し合いながら物事を進めるのが好き方、ぜひ一緒に働きましょう!」
【NHKアート】
O.Kさん
NHKアート
経営企画室 総務部
(2020年入社)
人と人をつなぎ
みんなで美術を作り上げる!
NHKアートは番組美術制作を主に行う会社です。番組からの発注を受けて、セットや小道具などを制作したり、番組のロゴやオープニングCGなどのデザインをしたり、出演者の衣装やメイクを準備したりする、総合美術会社です。
また、番組の美術制作で培った技術を活かしたイベント制作や施工も行っています。さらに、NHKホールをはじめ全国のホールで公演が安全に行われるように、音響、照明、舞台機構などを管理する仕事も行っています。
いずれも、一人で完成する仕事ではありません。人と人とをつなぎ、協力しあって美術を作り上げる。それが私たちの仕事です。
美術力のさらなる進化へ
私たちの「挑戦」
部署を超えた社内プロジェクトにも力を入れています。美術の観点から社会課題に向き合い、環境にやさしいサステイナブル素材の研究開発や、より多くの人に情報を届けるためのユニバーサルデザインについての社内勉強会なども、会社をあげて行っています。
CG・VFXやVRといった最先端技術の活用や、それらを用いた事業開発にも美術力をいかして取り組んでいます。
環境にやさしいサステイナブル素材
テレビが好きな人、ものづくりが好きな人、大募集!
私たちが大切にしているのは、「情熱」と「信頼」です。テレビ美術の歴史と伝統を支えてきた誇りをもって働いています。オファーされた仕事に対して、ただ言われたことをするだけではなく、どうすればより良いものを作れるのかという情熱をもって取り組む。するとそれは信頼につながっていきます。
ものづくりやテレビ美術に情熱を傾けてみたい方、みんなで何かを作り上げるのが大好きという方、新しいことに挑戦したい方、ぜひ来てください! 一緒に成長していきましょう。