結成40周年のプリプリを音楽的に徹底解剖！「プリンセスプリンセス学」レポート

2024年3月7日

NHKに残る希少映像を利用し、レジェンドアーティストを徹底解剖していく新感覚の音楽教養講座ロックン・ロール大学。「忌野清志郎学」、「チェッカーズ学」に続く第3弾「プリンセスプリンセス学」がNHKカルチャー青山教室とオンラインで開催されました。

プリンセスプリンセスは「Diamonds＜ダイアモンド＞」「世界でいちばん熱い夏」などで大ヒットを飛ばした5人組ガールズバンドのパイオニア。女性バンドとして初の日本武道館＆東京ドーム公演を成し遂げたプリプリは40周年を迎え、再び注目を集めています。

本学長で音楽評論家・スージー鈴木さんと今回のゲストで当時の担当ディレクター・マイケル河合さんが今熱いプリプリの魅力に迫った講義の模様をレポートします。

＊「プリンセスプリンセス学」の配信は終了しました

1. プリプリのNHK秘蔵映像を音楽評論家＆担当P独自の解説つきで公開
 2. 出会い、解散、再結成。担当Pが語るプリプリとの日々
 3. 担当Pだから知るプリプリメンバーたちの素顔
 4. 大滝詠一、奥田民生ともつながりが…!? 知られざるプリプリ秘話公開
 5. メンバー着用の品も会場に！プリプリの貴重なグッズを展示
 6. 講座を終えての学長コメント

■「プリンセスプリンセス学」詳細
 ■おすすめの読みもの
 ■おすすめ商品

1. プリプリのNHK秘蔵映像を音楽評論家＆担当P独自の解説つきで公開

この講義では主にNHKに眠るプリプリの希少映像を軸に展開。今回も懐かしい音楽番組『ジャストポップアップ』『ヤングスタジオ101』などで披露された熱いパフォーマンス映像、ツアーDVDから解散コンサートでのラストソングも高画質で公開しました。

大ヒット曲やファンにはたまらない隠れた名曲の歌詞やメロディについて音楽評論家のスージーさんがマニアックな切り口で解説。そして担当プロデューサーとして楽曲制作、演奏指導、メディア戦略を行った河合さんだから知る貴重な逸話を披露。

ヒットシングル『19 GROWING UP -ode to my buddy-』の歌詞やプリプリ本のタイトルにも登場し、プリプリを紐解く必須ワードである“冴えたやり方”の誕生秘話も明かしました。

2. 出会い、解散、再結成。担当Pが語るプリプリとの日々

プリンセスプリンセスのデビューから解散、再結成まで制作担当として成長を促し、バンドを支えた河合さん。「赤坂小町」からネーミングが変わったばかりのデビュー間もない頃や大ブレイクし、ヒット曲を連発したバンドとの日々を回顧。

女性バンド初の日本武道館公演を達成し、人気もキープしつつ、メンバー内の人間関係も良好なうちに解散へと至った経緯にも言及。2011年の東日本大震災をきっかけに、翌2012年、1年間の期間限定で16年ぶりに叶った再結成にまつわる裏話も。ブランクを経て再び5人が揃い、再始動に至るまでの知られざる紆余曲折も語られました。

3. 担当Pだから知るプリプリメンバーたちの素顔

担当プロデューサーの河合さんだから知る5人のメンバーたちの素顔や印象的なエピソードも披露しました。作詞を進める作業で河合さんとの相互作用でどんどんおもしろいものが生まれる中山加奈子さん、一方マイペースでゆっくり進めるタイプだったという富田京子さん。今野登茂子さんはおとなしさの中にも芯の強さを感じたと回顧。

メンバーたちに慕われていたリーダー・渡辺敦子さんの包容力と天然な一面を物語るエピソードは、今回公開したNHKのスペシャル番組『プリンセスプリンセス大百科 A to Z』の映像につながる形に。メンバー全員が渡辺さんへの想いを語る貴重なインタビュー内容に会場では涙する人も。

奥居香さんについては解散コンサートで最後の曲を演奏し終えた後に潔さを感じたグッとくるエピソードを披露。河合さんはプリプリというバンドを「仕事的にも音楽の内容的でも長く残るヒット曲ができた。物を作っていく作業の中でバンドの良さを感じることができた人生の中で一番重要なバンド」と語りました。

4. 大滝詠一、奥田民生ともつながりが…⁉ 知られざるプリプリ秘話公開

河合さんがプリプリと同時期に担当していたアーティストが大滝詠一さんとユニコーン。大滝さんとプリプリにまつわる秘話を今回の講座で初披露すると、「今日一番のイイ話」とスージーさんは大喜び。

アルバム「服部」が大ヒットするなどして人気を博していた当時のユニコーン。プリプリとユニコーンの担当を兼務していた河合さんだから知る意外な交流話に会場がどよめく場面も。

5. メンバー着用の品も会場に！プリプリの貴重なグッズを展示

「ロックン・ロール大学」恒例の会場展示では、当時のプリプリのツアーのスタッフジャンパーやファンクラブ会報誌などがお目見え。受講生の皆さんが激レアなアイテムを写真に納めていました。

ロックン・ロール大学「プリンセスプリンセス学」使用映像リスト（紹介順）

「Diamonds ＜ダイアモンド＞」（1989年12月放送、 NHK『ジャストポップアップ』）

「恋はバランス」（1987年5月放送、NHK『ヤングスタジオ101』）

「世界でいちばん熱い夏」（1987年11月放送、NHK『ヤングスタジオ101』）

「19 GROWING UP -ode to my buddy-」（1988年4月放送、NHK『ジャストポップアップ』）

「STAY THERE」（1989年1月公演、『LET’S GET CRAZY Live at 武道館』）

「SHE」（1988年11月放送、NHK『ジャストポップアップ』）

「GET CRAZY!」（1989年3月放送、NHK『ジャストポップアップ』）

「M」（1989年５月放送、NHK『ジャストポップアップ』）

「HIGHWAY STAR」（1993年11月放送、NHK『プリンセスプリンセス大百科 A to Z』）

「One」（1993年11月放送、NHK『プリンセスプリンセス大百科 A to Z』）

「SEVEN YEARS AFTER」（1994年1月公演、『質実剛健at 武道館1994』）

「曲づくりの秘密」※制作プロセス映像（1993年11月放送、NHK『プリンセスプリンセス大百科 A to Z』）

「だからハニー」（1993年11月放送、NHK『プリンセスプリンセス大百科 A to Z』）

「Personal Data and Document Storyアッコちゃん編」※メンバーインタビュー（1993年11月放送、NHK『プリンセスプリンセス大百科 A to Z』）

「Fly baby Fly」（1996年5月公演、日本武道館解散コンサート「PRINCESS PRINCESS PANIC TOUR‘96『解散を遊ぼう。FINAL』」）

「Diamonds ＜ダイアモンド＞」（2012年12月放送、NHK『第63回ＮＨＫ紅白歌合戦』）

6. 講座を終えての学長コメント

マイケル河合という人がメンバーと良い関係を持ちながら、音楽性を高めていった気がしました。いろんな意味でいいバンド。いい時代だったなと思います。なんといっても、リードボーカルを歌い・叫びまくってリードギターを弾きまくる奥居香のようなボーカリスト＆ギタリストは、なかなかいないと思います。音楽的側面で語られる機会が多くなかったバンドだった気がするので、今日みたいにマイケル河合という人と一緒に音楽的に解剖できたのは面白かったですね。

＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
◆レポート/ライター
高田りぶれ（たかだ・りぶれ）
山形県生まれ。ライターなど。放送作家のキャリアを生かし、テレビ・ラジオ番組のおもしろさを伝える解説文を年間150本以上執筆。趣味は観ること（プロレス、サッカー、相撲、ドラマ、お笑い、演劇）、遠征、料理。
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝