東京風景 DVD
失われてしまった街並み、懐かしい街の音・・・想い出の風景を再び旅してみませんか?
焼け野原の「ゼロ」地点から復興し、今なお姿を変え行く大都市、東京。日本人の誰もが関心を寄せ、あこがれた街は、世代によってはまったく違った「記憶の中の風景」を思い起こさせます。
NHKの膨大な映像資料から戦後すぐ~1980年にいたるまでの東京の風景の移り変わりと東京を形作ってきた人々の生き生きとした生活の風景の映像を軸に、厳選・構成されています。
貴重な「空撮映像」を各巻の皮切りに、今はなくなった建物、道路、遊興施設、建設されていく鉄道などの風景を時代を追って収録。大きな事件で時代を語るかわりに、買い物に興じる奥様たちの姿。新発売のおもちゃで元気に遊びまくる街角の子供たちなど、だれもが自分の体験として記憶している「生活の風景」映像を収録。
<収録内容>
◆1945-1955 東京ブギウギ
1945年、焦土と化した東京では、「復興」を旗印に人々の奮闘が始まりました。焼け野原だった街にも色とりどりのネオンが灯り、ダットサンが走り始めます。進駐軍が闊歩する銀座、都電やオート三輪の行き交う新宿、賑やかなりし浅草六区の興行街―。あなたの歩いた東京の何気ない街角風景を、NHKの膨大なアーカイブ映像の中から厳選しました。懐かしいサウンドとともに、戦後の東京がよみがえります。
【収録映像】
新宿・ヤミ市/焼け跡の東京・空撮/終戦直後の銀座/テレビ放送スタート/御茶ノ水駅・地下鉄丸ノ内線開通/国産自動車・ダットサン/戸山ハイツ完成/浅草界隈/両国の川開き復活/チャンバラ・ピストル遊び~子どもたちの風景/上野の賑い/新宿雑踏/美容ブーム/渋谷・道玄坂 /ダンスホール~当時の娯楽 ほか
終戦後の十年が収められた第1巻。冒頭、空撮映像で無惨な焼け跡を見せている東京が、めくるめく再生されていく様が興味深い。米兵と日本人警官が並んで交通整理をする銀座風景、時ならぬ日食騒動、納豆売りに励む子供たち、「首吊り式背伸び棒」なる奇妙な美容器具の登場…と、よくある昭和史の写真集などから抜け落ちた貴重な映像が記録されている。町並を眺めるだけでなく、インタビューにこたえる往時の人々の時代がかった語り口も聞きもの。 〔泉 麻人〕
◆1956-1961 新しき庶民のパノラマワールド
1950年代後半、庶民の憧れは団地住まい、ベランダからは明るい未来を予感させる「パノラマワールド」が広がっていました。人々は都電に乗って有楽町、新宿、渋谷、浅草へ。ボンネットバスが商店街を駆け抜ける―。そんな昭和30年代の東京へタイムスリップしてみませんか?世界一の電波塔そびえる東京の風景を、NHKの膨大なアーカイブ映像の中から厳選しました。懐かしいサウンドとともに当時の東京が凝縮された「活動写真集」です。
【収録映像】
大井町・三つ又商店街/東京空撮(上野不忍池・代々木競技場・ひばりが丘団地)/銀座(数寄屋橋取り壊し~西銀座高速道路完成)/クイズ旋風/新宿・淀橋浄水場/渋谷・五島プラネタリウム開館/東京駅の風景/上野(全焼した谷中の五重塔・上京した集団就職の少女)/浅草(消えゆく吉原、赤線地帯・羽子板市)/隅田川(“おばけ煙突”・佃の渡し)/チャンバラ・ローラースケート・フラフープ~路地の風景 ほか
東京タワー、五島プラネタリウム、代々木競技場…といった新しいシンボルが次々と出来上がっていくなか、佃島の渡船、千住のおばけ煙突、開閉する勝鬨橋…などの懐かしい風景が収められている。交通の弊害がそろそろ問題化していく時代、それでも路地裏でオート三輪をかわしながらチャンバラごっこに興じる子供たちの姿にはまだのどかさが漂う。木のぼり遊びの一こまなども、もはや“消えた遺景”となった。浅草三業地の呼びこみ、赤線廃止寸前の吉原遊郭、といった妖しい光景も見所。 〔泉 麻人〕
◆1962-1964 オリンピックへ!東京大改造
人口すでに1000万人を突破、マンモス都市・東京はオリンピックに向けて大変貌を遂げます。東京中で繰り広げられる突貫工事で高速道路や新幹線、競技場などが次々と開通・竣工し、東京は紙ふぶきと歓声に包まれます。一方、デパートの屋上遊園や駄菓子屋、貸本屋には、わくわくする子どもたちの姿がありました。NHKの膨大なアーカイブ映像の中から厳選・凝縮された懐かしい映像で、オリンピックをひかえた街の興奮がよみがえります。
【収録映像】
東京オリンピック開催決定/首都高速の工事/横断歩道通過カード/後楽園遊園地/デパートの屋上遊園/「バナナを食べましょう」キャンペーン/踏切のある風景/浅草の風景/ベーゴマ遊び/取り壊しの決まった“おばけ煙突”/新宿民衆駅完成/銀座・「みゆき族」/首都高速開通/佃大橋完成/地下鉄日比谷線全線開通/新幹線営業開始/オリンピック記念メダル発売/聖火リレー/オリンピック開幕 ほか
本巻ではオリンピック開催前の3年間(1962~64年)に焦点が当てられている。銀座周辺の水路が埋めたてられて首都高速道路が整備され、池袋、新宿、渋谷などのターミナルに地下街が完成し…この時期に東京の町並みが「地の底から根こそぎ改造されたのだ」と痛感する。同時期に開通する“夢の超特急”(新幹線)の話題、巷にあふれる五輪のマーク。台湾バナナのコレラ騒動、害虫アメリカシロヒトリ駆除の映像などもいま見ると懐かしい。「横断歩道通過カード」なる交通戦争が始まった頃の珍景も記録されている。 〔泉 麻人〕
◆1965-1970 熱狂の東京パビリオン
「東京」から国際都市「TOKYO」へ―。1960年代後半、万博へのカウントダウンが始まり、舶来品がブームになりました。一方で「古き良き」時代の名残をのこしていた銀座のヤナギやトロリーバス、帝国ホテル旧館、蒸気機関車D-51などが姿を消します。また、テレビはモノクロからカラー時代になり、東京中のデモの様子や「サイケ族」のファッションを生々しく映し出すようになりました。あの、熱かった時代の東京の風景が、厳選されたNHKのアーカイブス映像でよみがえります。
【収録映像】
新宿・淀橋浄水場/金魚売り/区営アパート完成/ビートルズ公演日の日本武道館前/有楽町・すし屋横町/都電銀座線廃止/カラーテレビ登場/蒲田・首相訪米反対デモ/京浜急行大鳥居駅・催涙ガス被害/有楽町駅・万能型自動キップ販売機登場/フーテン族 /新宿西口地下広場・フォークソング集会/新橋駅・沖縄返還デモ/東京大学学園祭/人形町・末広亭最後の公演/東京駅・D-51さよなら運転 ほか
ビルがびっしりと建ち並んだ銀座をデモ行進の列がゆく。国鉄、私鉄、銭湯…のストライキ。京浜急行に乗って羽田闘争に向かうヘルメットの学生たち。この時期、デモやストの光景が東京風景のなかに取りこまれていた。都電が消えた銀座には万国博の宣伝看板が掲げられ、映像は中盤からカラーになる。霞ヶ関ビル、貿易センタービルが建設されて、ビルはいよいよ“超高層”の時代へ入っていく。ラストの歩行者天国の映像にラムネの露店がとらえられているが、この頃から“レトロ指向”が始まった、ということだろう。 〔泉 麻人〕
◆1971-1980 東京ホリデー
1970年代、東京は西へと大きく広がります。人々は西部の「ニュータウン」の家に住み、電車に乗って都心にやって来るようになりました。休日のデパートや歩行者天国は子ども連れの家族でにぎわいます。一方、新宿・新都心の超高層ビル群、巣鴨プリズン跡地のサンシャイン60もほぼ完成し、現在の東京につながる風景ができあがりつつありました。厳選されたNHKのアーカイブス映像で、ちょっぴり懐かしい当時の東京がよみがえります。
【収録映像】
多摩ニュータウン/光化学スモッグに煙る東京/パンダ・ブーム/節電でネオンの消えた銀座/取り壊し直前の日劇(銀座)/新宿サブナード完成/京王プラザホテル完成/過熱する「チビッコ商戦」/巣鴨拘置所跡地とサンシャイン60/過激派に厳戒態勢の渋谷駅周辺/再開発せまる渋谷・恋文横丁/代々木公園・深夜のロックフェスティバル/原宿ファッション通り/スーパーカー・ブーム/竹の子族 ほか
いわゆる“70年代”の風景が記録された映像。町並はもちろん、とりわけ若者の価値観や風俗が大きく変わっていった時代である。原宿・表参道、渋谷・公演通り…オシャレした若者たちが闊歩する“ファッション・ストリート”と呼ばれる界隈が出現する(セントラルアパート内部の映像は貴重!)。暴走族、フリスビー、ディスコ、スペースインベーダー、ウォークマン…。いま観るとあかぬけない風俗も目につくが、取材を受ける竹の子族の口調は興味深い。「なんか、なんとなく、とか」などを多用する語り口は、既にイマドキの雰囲気が感じられる。 〔泉 麻人〕
【DVD特典】
Disc.1:番組放送当時のオリジナル音声を「副音声」に収録!
Disc.2:フリートーク(副音声に収録) 泉 麻人×川本三郎(評論家)
Disc.3:フリートーク(副音声に収録) 泉 麻人×南 伸坊(イラストレーター)
Disc.4:フリートーク(副音声に収録) 泉 麻人×町田 忍(庶民文化探究家)
Disc.5:フリートーク(副音声に収録) 泉 麻人×渡辺和博(イラストレーター・ライター)
○監修:泉麻人
収録時間313分/画面サイズ4:3/字幕:日本語/音声/日本語(主音声・副音声)/モノクロ・カラー
発売日:2019年2月22日