新国劇 極付 国定忠治 DVD
「赤城の山も今宵を限り」-昭和期に圧倒的な人気を博した大衆劇団「新国劇」の代表作「国定忠治」がついにDVDで復活!
大正6年に芸術座を脱退した澤田正二郎らによって結成された「新国劇」。迫力のある剣劇が人気を呼び、大衆演劇の礎となった。澤田の死後は、辰巳柳太郎と島田正吾が二枚看板として大活躍し、「国定忠治」「大菩薩峠」「王将」などで観客を魅了。戦前から戦後にかけて全盛期を謳歌する。昭和62年、創立70周年記念公演を終え、解散した。
1980年8月読売ホールで収録された舞台「極付 国定忠治」をDVD化。
解説は、若き頃に新国劇で育ち、本作の出演者でもある緒形拳が執筆。
〔出演〕
国定忠治…辰巳柳太郎
川田屋惣次…島田正吾
山形屋藤造…緒形拳 ほか
【収録内容】
第一幕 赤城天神山 不動の森
第二幕(一) 信州権堂町外れ 庚申塚
第二幕(二) 山形屋の店先
第二幕(三) 半郷の小松原
第一幕は赤城天神山・不動の森。
飢饉に喘ぐ農民を助けるため、悪代官を斬った国定忠治(辰巳柳太郎)と子分たちは国定村を追われ、赤城の山に立てこもった。山はすでに捕り方たちに包囲されている。そこに訪ねて来たのは、忠治にとっては義理の親ともいうべき、目明しの川田屋惣次(島田正吾)。忠治の人となりを十分に理解している惣次だが、天下のご政道には従ってもらいたいと迫る。惣次の苦しい胸の内を察して、忠治は縛につく覚悟を固める。
その時、日光の円蔵(宮本曠二郎)が二人の間に立ち、調停する。300人の子分たちは盃を返し、その場で解散。その代わり忠治はひとり山を落ち延びていくことになった。「赤城の山も今宵を限り、生れ故郷の国定の村や、縄張りをすて故郷を捨て、可愛い子分のてめェ達とも別れ別れになる門出だ」の名台詞を残して。
第二幕は山形屋の店先の場が中心となる。
表向きは十手取り縄を扱う、目明しの山形屋籐造(緒形 挙)だが、裏ではあこぎな人身売買を商い、貧しい人たちを苦しめている。忠治は100両の金と娘・お芳(河田有紀)を人質に取られた百姓の喜右衛門(郡 司良)を助けるため、山形屋の店先に乗り込んでいく。辰巳柳太郎と緒形挙の師弟対決は、コミカルにして圧巻の芝居場になった。
*85分収録/画面サイズ4:3