創建1200年記念 特別展「神護寺―空海と真言密教のはじまり」公式図録
創建1200年記念 特別展「神護寺―空海と真言密教のはじまり」の公式図録です。
京都市の北西部、高雄に所在する神護寺は、紅葉の名所として古くから知られてきました。天長元年(824)、高雄山寺と神願寺というふたつの寺院がひとつになり、神護国祚真言寺(神護寺)が誕生します。高雄山寺は平安遷都を提案した和気清麻呂の私寺で、唐で密教を学んだ空海が帰国後、活動の拠点とした寺院です。国宝「灌頂暦名」や国宝「両界曼荼羅(高雄曼荼羅) 」は空海に直接関わる作品としてあげられます。また、神護寺の前身寺院にまつられていた国宝「薬師如来立像」は、平安初期彫刻の最高傑作で、寺外での公開は神護寺史上初めてのことです。本展は、空海と真言密教のはじまりの地、神護寺に伝わる寺宝の数々をご紹介するまたとない機会です。1200年を超える歴史の荒波を乗り越え伝わった、貴重な文化財をご覧ください。
【商品詳細】
サイズ:A4変形判
272ページ
【展覧会の見どころ】
1.空海の寺、神護寺。真言密教の源流1200年の至宝終結
唐で体系的な密教を学んだ空海は、その成果をもとに真言密教を打ち立てました。 密教では教義の世界観を示す曼荼羅や儀式で使う法具など、数多くの美術工芸品が生み出されました。会場では、空海の生きた時代に制作された、彫刻・絵画・工芸の傑作をはじめ、 国宝17件、重要文化財44件を含む密教美術の名品など約100件を展示します。
2.寺外初公開、本尊の国宝「薬師如来立像」
神護寺の前身寺院にまつられていたのが本尊「薬師如来立像」です。量感あふれる造形、威厳あふれる表情は、独特の迫力を生み出し、平安初期彫刻の最高傑作といえます。本展は寺外で本尊の荘厳さにふれていただく、神護寺史上初の機会です。
3.約230年ぶりの修理、国宝「両界曼荼羅(高雄曼荼羅)」
金剛界と胎蔵界、密教のふたつの世界観を図示したのが両界曼荼羅です。高雄山神護寺に伝わったため、「高雄曼荼羅」と呼ばれる本作品は、4メートル四方の大きさを誇る、空海在世時に制作された現存最古の両界曼荼羅です。江戸時代以来、およそ230年ぶりに修理された姿をご覧いただきます。
4.現存最古の「五大虚空蔵菩薩坐像」が勢揃い
空海の後を継いだ真済の代に安置された国宝「五大虚空菩薩坐像」は、日本でつくられた作例のうち、五体が揃う現存最古のものです。仁明天皇御願とされ、鎮護国家が願われました。品の良い顔立ちと均整の取れた造形は、当時最高の技術を持った工人によって制作されました。寺外で五体揃って公開されるのは初めてのことです。
【展覧会情報】
創建1200年記念 特別展「神護寺―空海と真言密教のはじまり」
会期:2024年7月17日(水)~9月8日(日)
会場:東京国立博物館 平成館
主催:東京国立博物館、高雄山神護寺、読売新聞社、NHK、NHKプロモーション
※会期中、一部作品の展示替えを行います。
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