まさにタイムトラベル!城マスター、千田先生が語る、 初心者にもやさしい“城めぐり”の楽しみ方とは?

まさにタイムトラベル!城マスター、千田先生が語る、 初心者にもやさしい“城めぐり”の楽しみ方とは?

 全国各地に築かれている日本の名城。世界中のお城を城郭考古学の立場から研究する“城マスター”の千田嘉博先生に、初心者にもやさしい最新の城事情やお城めぐりの魅力をお聞きしました。

始まりは姫路城から! お城の達人への道

先生がお城好きになったきっかけは?

姫路城
姫路城

中学生のときに、もう決定的な転機がありました。中学生の夏休みに自分たちで旅行計画をたてて小豆島・淡路島に行ったのです。目的地が小豆島・淡路島なので、旅の資料を作ってどこの寺に行くとか調べていたんですが、名古屋から新幹線に乗って姫路で降りましたら、駅から姫路城がバーンって見えるんですよねえ!全くノーマークだった姫路城でしたが、その美しさや力強さに感銘を受けまして。なんてすごいもんがあるんだ!と。行ってみたいなと思ったのですが、事前に旅行会社で別の場所を予約していたので、そのときは行けなかったんですよね。

そのあと行けなかった姫路城がどうなっているのだろうと気になり、図書館へ行って図書館にあるお城の本を全部読みました。それで全国に城があるっていうことに気が付いて。学校の担任の先生に「お城の研究はいいから、学校の勉強をしよう」と言われるほど、夢中になりました。

城郭考古学から見えてくるお城から地域づくり

千田先生は城郭考古学者ということですが、普通の考古学と違うところはなんでしょうか?

考古学というと、縄文や弥生など文字のない時代を研究するイメージをお持ちの方が多いと思います。ところが現在は、室町や江戸、そして明治などの近代にまで広がっていて、考古学というものの研究範囲はすごく広いということがまずあります。

お城は現地に残るいろんな建物などから歴史を考えることができますが、お城をつくった時代はたくさんの文字資料や絵図資料もありますから、例えばどんなに広い面積でもお城全部を発掘することはなかなか考えられません。発掘したところは詳しく分かりますが、それ以外のところは考古学だけでは分からないのです。しかし発掘していないところも文字や絵図の資料と総合してみていくと全体像が見えてきます。

今までは文字や絵図専門の研究者、そして発掘調査をする研究者という風にそれぞれがバラバラにやっていましたが、お城を中心にして様々な資料を総合化し本当の姿を掴んだところから歴史を考えてみようというのが城郭考古学なのです。

城郭考古学の魅力とは?

現在各地に残っている城跡は、歴史を考えるかけがえのない資料であるのと同時に、文化財として街づくりに活用していくことが期待されています。しかし、活用するにしてもまずは本当の姿を掴まなければなりません。そこで調査が必要ですし、石垣などが傷んでいる場合もありますので、文化財としての価値をしっかり残しながら修理をしていくことが求められます。

お城から歴史を考えるということだけではなく、お城を守って活用して未来に伝えていくところまで、全体を考えられるのが城郭考古学です。お城を中心に全てを考える視点は、今までちょっと欠けていたところがあったので、多くの人が意識してくださったらお城の歴史ももっと分かって来ますし、これからの地域づくりにお城を活かしていくことも、もっと進んでいくのではと期待しています。

旅気分で楽しめる城番組からまず入ってみては?

NHKのお城番組でもおなじみの千田先生ですが、初心者でも番組を楽しめますか?

「日本最強の城スペシャル」は毎回テーマを決めてお城を選んでいます。お城を見ていただく時に、「ああ石垣だなぁ」とか「ああ天守だなぁ」というだけではなく、石垣や天守の形の違いを見ると実はそれには意味があるということが分かります。この「日本最強の城スペシャル」をご覧になってからお城を訪ねてもらうと、ご覧いただく前よりも一歩深くお城を楽しんで魅力を発見していただける、そんな番組になっています。

*NHK「日本最強の城スペシャル」はこれまでに11回放送。年3回ほど特番として総合テレビで放送している。1月1日の正月スペシャルでは城の絶景スポットがテーマ。姫路城、大坂城、大洲城、唐津城、竹田城、唐沢山城、米子城の各地の魅力がすばらしい映像とともに紹介された。
番組ホームページ:https://www.nhk.jp/p/ikitakunaru/ts/8LZ7JKN4K6/

日本最強の城スペシャル第10弾(20221月放送)

 一方の「絶対行きたくなる!ニッポン不滅の名城」は、基本的にじっくり時間をかけて一つのお城を紹介しています。一つ一つのお城が歴史の中でどうしてここに作られて、こういう形になっているのか、堀であったり石垣であったりあるいは櫓や天守がどんな意図を持って作られていたのか…。現地をじっくり訪ねて読み解いていく、まさにお城探偵をしているような番組。一緒になってその謎解きをしてもらえたらいいなと思います。

*NHK「絶対行きたくなる!ニッポン不滅の名城」はBSプレミアムで放送。個性と魅力にあふれる名城の秘密や謎を、研究の最前線を走る「城マスター」が解き明かしていく、人気歴史エンターテイメント。これまでに真田の城、彦根城、松本城、竹田城などを紹介。
番組ホームページ:https://www.nhk.jp/p/ts/KNVRPJV3J3/

「日本最強の城スペシャル」は日本の各地にあるお城の魅力を発見していくところが見どころ、そして「絶対行きたくなる!ニッポン不滅の名城」はその魅力の背景にある歴史を読み解いていく楽しさが味わえる、さらに歴史好きな方が楽しめる番組です。

日本にある3万か所を超えるお城の中から、みんなと一緒に魅力を味わってベストのお城を詳しく紹介させていただくというお城ファンにはたまらない番組となっています。

お城初心者に向けて、ここから入ってもらいたいというところがありましたら教えてください

学校の遠足や家族旅行でお城に連れていってもらったという方は結構多いと思います。しかしじゃあ、お城を好きになったかというとそうでもないという方が多いのではないでしょうか。実はお城っていうのは色んな楽しみ方があって、見方がひとつじゃないのですね。

 

 竹田城

例えば、お城プラス写真で歴史や地域の様子を写し取ったような芸術的な写真を楽しまれる方もおられますし、天守や石垣が残っているお城がいい、いやいやもう何にも残っていないような中世の土のお城がいいっていう方もおられます。実はひとりひとりの関心に合わせて自分らしく楽しめるのがお城なのです。

必ずお家のそばにお城がありますから、まず身近なお城を訪ねていただいて、今残っているものに注目をしてくださったらなという風に思います。分かりやすいのは江戸時代のお城です。例えば「石垣があるな」ではなく「石垣のこの積み方や石の形がさっきと違っているな」というところに注目すると、実はそれが造られた時代の違いを示していたりするのです。本で読んでいるだけでは分からない、歴史を自分自身で解明していくっていう凄いことが出来てしまいます!

天守があるから天守へ行くのではなく、天守へ行くまでのところに色々な見どころがあるというのを注意してご覧いただくとお城の楽しさがどんどん広がっていくと思います。

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城への熱い気持ちが伝わってくる千田先生のインタビュー。名城の謎に迫るお城エンターテイメントNHKの城番組「絶対行きたくなる!ニッポン不滅の名城」では、築城の秘密や有名武将が討たれた背景と城の関わりなど、お城から見えてくる日本の姿を解き明かしていきます。日本の美しい城と千田先生のディープな城トークをぜひお楽しみください。

この夏も沖縄の名城を紹介しますよ!

NHK番組放送予定

「絶対行きたくなる!ニッポン不滅の名城スペシャル」
2022年72日(土)18001929 NHK BSプレミアム・BS4K
「沖縄の城 ~世界遺産 グスクの謎~」


首里城など5つのグスクが世界遺産に登録、人気観光地になっている。特徴は、壮大な石垣。本土の城が本格的に石垣を取り入れたのは、信長の安土城。グスクではそれより数百年前、精巧な石垣を造り上げていたが、その技術は大きな謎。またグスクには、祈りの場があり、信仰の対象となってきた。その原点を求め、伝説が息づく離島へ。謎に迫るのは、城郭考古学者の千田嘉博先生。魅力あふれる沖縄の歴史と文化にあなたをご招待!

番組ホームページ

千田先生プロフィール


千田嘉博(せんだよしひろ)(城郭考古学者)

1963(昭和38)年、愛知県生まれ。城郭考古学者、大阪大学博士(文学)。現在、奈良大学文学部文化財学科教授。中学生の夏休みに姫路城を遠望して感動し、日本と世界の城の探検をはじめる。2015年に濱田青陵賞受賞。主な著書に『戦国の城を歩く』(ちくま学芸文庫)『信長の城』(岩波書店)『城郭考古学の冒険』(幻冬舎新書)などがある。

千田先生ツイッター:@yoshi_nara

◆関連商品


絶対行きたくなる!ニッポン不滅の名城 DVD 全5枚(千田先生の缶バッジ付)
16,500円


NHK8K 『国宝へようこそ 姫路城』
4,180円


城下町遺跡の調査~松江の町の下に重なる歴史~
3,080円

         
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