「鎌倉殿の13人」で人気急上昇！歌舞伎俳優市川染五郎　特別講義レポート- NHKグループモール

「鎌倉殿の13人」で人気急上昇！歌舞伎俳優市川染五郎　特別講義レポート

2022年10月21日

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」にて冠者殿こと源義高役で鮮烈な大河デビューを飾り、大きな反響を呼んだ歌舞伎俳優の市川染五郎さん。父に十代目松本幸四郎さん、祖父に二代目松本白鸚さんを持つ、歌舞伎界だけでなく映像の世界でも注目を集める17歳です。そんな染五郎さんがNHK文化センター青山教室の特別講義に初登場。東京都内で「高麗屋八代目　市川染五郎の挑戦」と題して開催された講義の模様をレポートします。

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」ブルーレイ/DVD BOX・関連書籍はこちら

目次

1. 若い女性の受講者が多数来場
2. 父・松本幸四郎さん、祖父・松本白鸚さんへの想い
3. 17歳で初主演した歌舞伎座「信康」
4.「鎌倉殿の13人」で大河デビュー
5. 大河ドラマの現場と歌舞伎の舞台との違い
6. 三谷幸喜さんとの縁

1. 若い女性の受講者が多数来場

「鎌倉殿の13人」では初登場から染五郎さん演じる義高の美しさと好青年ぶりに魅了された視聴者が続出。SNSも大いに盛り上がりました。その大河効果もあり、会場となった大学の講堂には400名を超える受講者が詰めかけました。老若男女、幅広い年代の方が来場されましたが、なかでも若い女性の受講生が多数。講義の模様はオンラインでも配信され、国内外から大勢の方が見守るなかでスタートしました。

2. 父・松本幸四郎さん、祖父・松本白鸚さんへの想い

染五郎さんの聞き手を務めたのは歌舞伎や文楽といった古典芸能についての造詣が深い元NHKアナウンサーの葛西聖司さん。父・松本幸四郎さん、祖父・松本白鸚さんへのインタビュー経験が豊富な葛西さんならではの視点で17歳の染五郎さんの歌舞伎に対する熱い想いを聞きだしていきました。

染五郎さんは父と祖父が演じた「勧進帳」の弁慶への憧れ、二代目松本白鸚を襲名してからも初役に挑戦するなど情熱的に芸にまい進する80歳の祖父を尊敬する気持ちを吐露。祖父から父に、そして自分へと代々受け継がれてきた「染五郎」という名跡については「自分なりの染五郎を何十年もかけて作っていきたい」と決意を語っていました。

3. 17歳で初主演した歌舞伎座「信康」

染五郎さんが初主演を果たした2022年6月歌舞伎座「信康」にまつわるエピソードも披露。徳川家康の嫡男として生まれた信康が義父・織田信長と父・家康の2大権力に翻弄され、21歳で切腹するまでを描いた物語。信康を演じるにあたり、上演回数も資料も少ないなかで掘り下げ、分析。ゆかりの地である信康の首塚を訪れるなどして「信康像」を作り上げていったことを明かしました。

そんな初主演舞台の幕が開いたのが、染五郎さんが「鎌倉殿の13人」に源義高役で登場した後のタイミング。毎日信康を演じている中で、若い年代の観客が舞台上から数多く目につき、自身の大河ドラマ出演を実感したと語っていました。

4.「鎌倉殿の13人」で大河デビュー

染五郎さんは2022年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で大河デビュー。本作の主人公は小栗旬さん演じる鎌倉幕府2代執権・北条義時。三谷幸喜さん脚本の鎌倉幕府初代将軍・源頼朝を支えた義時ら13人の家臣団の苦悩や葛藤を描く群像劇です。

染五郎さんが演じたのは源頼朝のライバルにあたる木曽義仲の嫡男・冠者殿こと源義高。尊敬する父の命で人質として鎌倉へ行き、頼朝の娘・大姫のフィアンセに。北条政子からも気に入られて穏やかな日々を送るも、運命に翻弄され若くして非業の死を遂げる若武者を演じました。

染五郎さんが歌舞伎座で演じた徳川信康のように、あまり歴史上の人物としてフォーカスされていなかった源義高。歌舞伎以外の映像の世界で活躍する父と祖父からは特にアドバイスはなかったとのこと。その役作りについては、義高という人物を調べることに加え、脚本を手掛けた三谷さんが描いている義高像についてじっくり考えながら作り上げていったそうです。